米輸入物価、3月は‐0.1% エネルギー価格低下で24年9月以来の下落

米労働省が15日発表した3月の輸入物価指数は前月比0.1%下落した。写真はニュージャージー州エリザベス港に入港する貨物船。9日撮影(2025年 ロイター/Shannon Stapleton)
Lucia Mutikani
[ワシントン 15日 ロイター] - 米労働省が15日発表した3月の輸入物価指数は前月比0.1%下落した。エネルギー製品の価格低下を背景に、昨年9月以来の下落となった。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は2月から横ばいの0.4%上昇だった。2月は0.2%上昇と、0.4%上昇から下方改定された。
前年比では、3月は0.9%上昇。2月は1.6%上昇だった。
FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏はトランプ政権が製造業の国内回帰を目指す中、米経済は厳しい移行期を迎える可能性が高い」と指摘。「現時点で輸入価格はインフレの押し上げにそれほどつながっていないが、将来の見通しは依然として非常に不透明だ」と述べた。
3月の輸入燃料価格は2.3%下落。2月は1.6%上昇していた。貿易摩擦の激化が燃料需要に悪影響を与えるとの懸念から、原油価格は下落している。
食品価格は0.1%上昇。2月は横ばいだった。
燃料と食品を除くコア輸入価格は0.1%上昇。前年比では1.1%上昇だった。米国の主要貿易相手国通貨に対してドルが大きく軟化しているため、さらなる上昇が予想される。
輸入資本財価格は0.3%上昇。2月は0.1%下落だった。
輸入車、部品、エンジンの価格は0.1%下落。自動車を除く輸入消費財は0.2%下落した。
国別の輸入物価は、中国が0.2%下落と、2月の0.1%下落に続いた。前年比では0.9%下落した。
一方、日本は0.5%上昇。欧州連合(EU)は横ばいとなった。カナダは1.5%、メキシコは0.3%、それぞれ下落した。
ブリーン・キャピタルのチーフエコノミックアドバイザー、ジョン・ライディング氏は「中国製品への20%の関税引き上げや鉄鋼・アルミニウムへの25%関税など、3月に賦課された関税は、価格にさらに上乗せされることになる」と述べた。
オックスフォード・エコノミクスのシニア・エコノミスト、マシュー・マーティン氏も「米ドルは昨年10月以来の安値水準にあることから、海外から商品を購入する生産者のコストは一段と上昇するだろう」と述べた。
一方、輸出価格は3月は2月の0.5%上昇から横ばいとなった。
農産物輸出価格は横ばい。大豆価格の上昇が小麦と米の価格下落を相殺した。
非農産物輸出価格は0.1%下落。自動車、資本財、消費財の輸出価格は上昇した。