最新記事

エアライン大革命

外国人旅行者を魅了する世界最高の航空会社は...

OMOTENASHI AIRLINES

2018年9月26日(水)11時45分
レジス・アルノー(仏フィガロ紙東京特派員)

羽田空港は乗降時の利便性、清潔さ、サービスのいずれも高評価 SAHA ENTERTAINMENT/GETTY IMAGES

<ANAとJAL、羽田と成田も世界のトップクラス。高いレベルのエアラインと空港は観光の最大の売りになる。本誌9/26発売号「エアライン大革命」特集より>

※本誌10/2号(9/26発売)は「エアライン大革命」特集。超長距離フライトから空中タクシーまで――夢が現実になる日はすぐそこまで迫っている。空の旅の最新事情と未来像に迫った。

いま日本には、史上最多の外国人旅行者が押し寄せている。2013年に約1036万人だった外国人旅行者は、昨年は2800万人を超えて3倍近くまで伸び、今年はさらに増えそうだ。

航空会社と空港も、外国人旅行者へのサービスをより考えなくてはならなくなった。「第一印象は二度とない」と言われるから、彼らを迎え入れるときの対応が日本の旅行業界の今後を左右する。

しかし、心配することはない。ANA(全日空)とJAL(日本航空)は素晴らしい航空会社だ。出発・到着時刻の正確さは、いつだって世界のトップクラス。機内は常に清潔に保たれ、トイレはパリ〜東京間のフライトで何度も清掃が入る(これはほかにあまり例がない)。

仏エールフランスのVIP向け「Club2000」の会員で、ほかにも多くの航空会社を利用している人物は、日本の航空会社を利用するときは「預けた荷物がロストバゲージになることは絶対にないと思っている」と全幅の信頼を寄せている。

「JALとANAは、預け入れ荷物を下ろすところまで自社スタッフがやってくれたことがある。私が知る限り、そんなことをしているのは日本の航空会社だけだ。荷物まで『おもてなし』を受けている」

英航空サービス格付け会社スカイトラックスが発表した今年の世界の航空会社ランキングで3位にランクインしたANAは、イベントの計画・運営でも傑出している。

私はかつてANAの協力を得て、パリで阿波踊りのデモンストレーションをプロデュースしたことがある。普通なら航空会社は、こうしたイベントへの協力に消極的だ。コストが高くつくわりに、宣伝効果はあまり見込めない。このイベントのとき、ANAは40人分の座席を使って、楽器や衣装を慎重に運んでくれた。ANAなら大丈夫だと信頼していたが、まさに期待どおりの素晴らしいパートナーだった。

トイレの床でも食事ができる

サービスのよさで言うと、例えばエールフランスは日本の航空会社より温かみがあって、より個人に特化したサービスを提供してくれる。しかしANA、JALとエールフランスを頻繁に利用するというある人物は、エールフランスのサービスは「乗務員によってばらつきがある。当たりもあれば、外れもある」と指摘する。

この点については私にも経験がある。エールフランスには文句を言いたいときもあるが、日本の航空会社では考えられないような方法で助けられたことも何度かある。妻がフランスの私の実家にパスポートを忘れたときには、乗務員が空港の出入国警備官を説得して搭乗させてくれた(たまたま「当たり」を引いただけかもしれないが)。

【参考記事】空港のセキュリティーチェックの行列、これでなくなります

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、外資参入規制を緩和 25年版ネガティブリスト

ビジネス

米関税措置が為替含め市場に波及、実体経済に悪影響=

ビジネス

韓国LG電子、インド子会社のIPO延期=関係筋

ビジネス

米TI、第2四半期売上高見通しが予想超え アナログ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
  • 2
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学を攻撃する」エール大の著名教授が国外脱出を決めた理由
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考…
  • 6
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 7
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 8
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 9
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 10
    「アメリカ湾」の次は...中国が激怒、Googleの「西フ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 7
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中