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人工知能、「予測」を制する者が世界を制す

2016年1月13日(水)16時30分
ケビン・メイニー

ファンドが求める投資のための「GPS」

 ヘッジファンドのブリッジウォーターは長いこと、フェルッチの研究についてコメントを拒否していた。だがCEOのレイ・ダリオはいつも、世界経済の予測モデルを作ろうとしてきた。何のためかは、言わなくてもわかるだろう。

 ダリオによれば、それはいわば、投資の現在位置を知るためのGPSを作る試みだという。「物事には論理的な因果関係があるので、過去には何度も同じような経済現象が繰り返し起こっているはずだ」と、彼は昨年のプレスリリースで語った。「だとすれば、我々の投資方針をコンピューターにインプットするだけで、GPSのように確度の高い未来のガイド役になるはずだ」

 予測マシンが近い将来、GPSと同じような人類のパートナーになれるのは確かだろう。人間が見落としがちなアドバイスや推論を教えてくれたり、人間の予測の精度を高める存在として。テトロックによれば、フェルッチはかつて、コンピューターが人間の超予測者を上回るのは2040年ごろまで無理だろうと語っていたという。もちろん、もっと早い可能性もある。人工知能(AI)は近年、専門家の予測をはるかに上回って進歩しているからだ。

 予測力で機械が人間を上回るようになったらどうなるだろうか──その予測はとても難しい。

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