小さなSDGsをつなぐ──68社の参画、大学との共同研究、トランプ時代の意味【第2回SDGsアワード】
For a Better Future

(左の2人目から)「ニューズウィーク日本版SDGsアワード2024」を受賞したパナソニック、KGホールディングス、中日本カプセル、生活クラブ連合会、和光紙器、沿線まるごとの各代表者。右端は本アワードの外部審査員を務めた蟹江憲史教授、左端は森田 PHOTOGRAPH BY NAOYUKI HAYASHI
<日本企業の持続可能な取り組みを広げ、サポートするため、2023年春に立ち上げたプロジェクト「ニューズウィーク日本版SDGsアワード」。第2回アワードの授賞式を去る3月11日に開催した>
嬉しい報告を聞いた。共にニューズウィーク日本版のSDGs(持続可能な開発目標)パートナー企業である三本珈琲(神奈川県)とナガセヴィータ(岡山県)が、共同での商品開発を目標に交流を深めている。
きっかけは、2024年3月に本誌が開催した第1回「SDGsアワード」授賞式で両社の担当者が意気投合したことだった。
食品の品質を長持ちさせるナガセヴィータの糖質を使った新商品が、フードロス削減に取り組む三本珈琲の店舗に並ぶ日はそう遠くないかもしれない。今はまだ「卵」にすぎないが、世界を変えようと志す「小さなSDGs」が広がり始めている。
日本でも世界でも、SDGsは企業の経営戦略と不可分になった。翻って、メディアはどうか。
世界を持続可能にするには、画期的な製品や大規模なプロジェクト、政府の規制や政策だけでなく、幅広い分野でのボトムアップの努力が不可欠だ。メディアはそうした努力を広げる働きを十分にしてきたか。
この問題意識から、本誌は2023年春に「SDGsアワード」プロジェクトをスタートした。たとえ小さな取り組みでも、それをメディアが広く伝えれば、他の企業で新しいアイデアにつながったり、何をすべきかの参考になったりするはず──。そう考え、日本各地の企業からプロジェクトへの参画を募った。
共同研究から特別賞を新設
2024年春に始動した2年目のプロジェクトには、化学メーカーから酒造会社、ホテル、造船会社、飲食チェーンまで、企業規模もSDGsに取り組む体制もさまざまな68社(上の一覧・左のグラフ参照)が参画。
それらの計86の取り組み事例を本誌ウェブサイトで次々に発信していった(SDGs記事の一覧はこちら)。
※今年度の受賞企業の紹介はこちら:輝きを放つ 受賞企業6社のサステナブルな挑戦【第2回SDGsアワード】