脂質は体に悪くなかった...「ケトーシス」と「ファットアダプション」は何が違うのか?

cegoh-pixabay
<せっかく摂るなら、よい脂質を選ぶべき。肉、魚介類、乳製品などから「おススメ食材」について>
脳の働きが良くなり、スッキリ。認知機能・学習機能・記憶力もアップ。ファスティングは、単なる減量やダイエットではなく、中毒、羞恥心、罪悪感など精神的、感情的な問題にも効果がある...。
日本でも有名になった「トロント最高の医師」ジェイソン・ファンらによる読んですぐに実践できる、ファスティングの決定版!『トロント最高の医師が教える 世界最強のファスティング』(CCCメディアハウス)より一部編集・抜粋。
脂質が多く含まれたものを食べると太る、とほとんどの人が思っていて、バター、チーズ、油、卵、赤肉、そのほかの脂っこいものは、健康でいたいなら避けるべきだとされていた。
脂質が真っ先に敵として挙げられたのは、脂質が心臓や血管に悪いと誤解されていたことが一因だ。脂質はコレステロール値を上げる、と誰もが信じていた。そして、そのコレステロールが動脈を詰まらせ、動脈が詰まって心臓発作を起こし、それがもとで亡くなる、と考えられていたのだ。
1960年代以降、広くそう信じられてきたが、じつはこれは正しくない。
脂質には2種類ある。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸だ。飽和脂肪酸は室温では固体の状態で、肉、チーズ、バターなどに含まれている。不飽和脂肪酸は室温では液体の状態で、アボカド、菜種油、オリーブ油などに含まれている。
飽和脂肪酸はLDLコレステロールの値を上げるので、動脈血栓が起き、心臓病につながるのではないかと、かつては怖れられていた。
だが、2005年に発表された、心臓病を発症したことのある235人の女性を3年にわたって追跡調査した研究の結果によると、脂質の摂取量と動脈の閉塞は関係がないことがわかった。