「私はSNS中毒者だから...」反LGBT+の渦中、バドライト論争で反発を受けたトランス女性が新著で訴えたこと
Chronicling a Gender Journey

ひどい状況に向き合わないといいことは生まれない、と思ったと言うマルバニー ROBIN L MARSHALLーFILMMAGIC/GETTY IMAGES
<SNSを中心にインフルエンサーとして活動するトランスジェンダーのディラン・マルバニーが、保守派の怒りを買ったバドライトの宣伝を巡る騒動を語った──(インタビュー)>
ソーシャルメディアのインフルエンサーでトランスジェンダーのディラン・マルバニー(Dylan Mulvaney)。
自身の性別移行を記録した動画シリーズ「女の子になって365日(365 Days of Girlhood)」で知られる彼女がビールのバドライトを宣伝する動画を投稿し、保守派の怒りを買ったのは2023年のこと。彼らはトランス女性と組んだバドライトを非難し、不買運動も起こした。
【動画】不買運動に発展した「バドライト」宣伝動画に、「生理用品で遊んでいる」と日本で炎上した動画も...マルバニーのTikTok動画を見る
「喜び以外のものをもたらすと分かっていたら、絶対にオファーを受けなかった」
彼女は新著『ペーパー・ドール──遅咲きの私からの手紙(Paper Doll: Notes from a Late Bloomer)』(米エイブラムズ社刊、未邦訳)に、その時の経験を書いている。「SNS活動でも人生でもとても応援されていると感じていたから、あのように顧客層の幅広いブランドと仕事をすることの重大さをあまり考えていなかった」
だが保守派の反発を生んだバドライト論争で注目を浴び、「エネルギーが湧いてきた。黙っている? なかったことにする? 違う!って。私の人生の歩み方はシェアすること。あいにく私は過剰にシェアするSNS中毒者なので、言わずにいられなかった」
新著やポッドキャスト、他のプロジェクトをこなしつつ、最終的な目標に焦点を合わせる。「今年、全ての決断は『それはブロードウェイのディーバになるのに役立つか』という問いに帰結する」と言うマルバニーに、本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。
──新著でバドライト論争を取り上げることがなぜ重要だったのか。
逃げ出して、もう関わらないほうがいいと直感した。でも、「このひどい状況に正面から向き合わないと、何もいいことは生まれない。心の傷も癒やせない」って思った。ようやくトンネルの先に光が見えてきたような気がする。