人種問題に切り込んできたスパイク・リー監督が語る「アメリカ社会の現在地」...作品には「今も力がある」
Lights, Camera, Civil Rights Action
──今も人々は『ドゥ・ザ・ライト・シング』にインスピレーションをもらっている。
黒人文化を象徴する映画を作ってきたことを、私はとても誇りに思っている。黒人文化にこそ、私の魂、存在、アイデンティティーがある。
そして『ドゥ・ザ・ライト・シング』は特定のコミュニティーとそこでの出来事に焦点を当てた内容なのに、世界中で愛されている。
──話は変わるが、大統領選を前にあなたは投票に行くよう呼びかけ、民主党全国大会にも出席した。積極的に投票を呼びかけるのはなぜ?
まず、私のブラザー(バラク・オバマ元大統領)が精力的に各地を回っているのが本当にうれしい。彼は熱弁を振るい、シスターである副大統領(カマラ・ハリス候補)を全力で応援している。黒人男性に狙いを定め、ブラザーたちよ、ドナルド・トランプの口車に乗るなと訴えている。有権者登録をして選挙に行け、われらがシスターをホワイトハウスに送り込め、とね。
トランプが黒人のために何かいいことをしてくれたと誤解するのは、犯罪に手を染めるのと同じくらい危険だ。
笑い事じゃない。あの男が黒人のために何かしたことなど一度もない。あいつの父親はニューヨークにいくつもビルを建てたが、黒人には貸さなかった。だからトランプの口車に乗るな。ごまかしや隠蔽、卑劣な不正に引っかかってはいけない。