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人種問題に切り込んできたスパイク・リー監督が語る「アメリカ社会の現在地」...作品には「今も力がある」

Lights, Camera, Civil Rights Action

2024年11月30日(土)11時27分
デビン・ロバートソン

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デンゼル・ワシントンの演技が光る『マルコムX』 LARGO INTERNATIONAL NV/GETTY IMAGES

だが私はマルコムXの「弟子」だ。彼の自伝は中学生時代に読んだ。私にとってマルコムXの自伝以上に大切な本はなく、毎年読み返している。

そういうわけで、2つのことが何度も心に浮かんだ。自分を信じること、そして自分の道は自分で決めること。


やがてひらめいた。黒人の中にも資産家はいる。そこで彼らの連絡先を調べた。

製作費の支援は投資ではないから、カネを回収できるわけじゃない。要は寄付だ。それでも助けてくれそうな人をリストアップした。撮影後の作業を続けることができたのは、彼らの支援のおかげだ。

92年5月19日、マルコムXの誕生日に、私はハーレムのションバーグ黒人文化研究センターで記者会見を開き、支援者の名前を公表した。するとワーナーは再び製作費を出すようになった。

だが、あの映画で私はどん底を味わった。意志を貫いたせいでスタッフが解雇されたときは、本当につらかった。

でも、面白い話がある。ワーナーの2人の社長に初めてあの作品を見せたのは、ロサンゼルス暴動のさなかだった。ロスの街が燃えていたその日に、私たちは『マルコムX』の最初の編集版を見せたんだ。

4時間という長さだったが、2人とも最後まで見てくれた。後で2時間に縮めろと言ってきたが、従うつもりはなかった。『マルコムX』にはそうした紆余曲折がある。

『マルコムX』予告編(1992年)

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