最新記事

ヘルス

「1日2個、カットしてスプーンで食べるだけ」 メンタル不調に効く丸い食べ物とは

2021年7月11日(日)19時11分
籔 智子(ライター) *PRESIDENT Onlineからの転載
フルーツを食べる健康的な生活のイメージ

食生活や栄養が心の不調と深くかかわっているという。Mariia Skovpen - iStockphoto

心の不調は日々のストレスによって引き起こされるもの。しかし最近は、食生活や栄養が心の不調と深くかかわっていることがわかっている。日本の精神栄養学の第一人者である帝京大学医学部 精神神経科学講座の功刀 浩主任教授が語る、今だからこそ伝えたい、心の不調と食事の関係とは――。


心の不調は生活習慣病の一つ

職場の人間関係や長時間労働、仕事と家庭の両立など現代はストレスにあふれ、心の不調を感じる人が増えている。平成29年度の厚生労働省の調査でも、日本の五大疾病「糖尿病、がん、心臓病、脳卒中、精神疾患」の中で、もっとも患者数が多いのが精神疾患。これは、心の不調は年代を問わず、老若男女、誰にでも起こりうることが原因の一つと考えられる。

「心の不調はストレスによって引き起こされますが、最近では食生活や栄養が心の不調に大きくかかわっていることが明らかになっています。2000年頃から『精神栄養学』という新しい学問分野が誕生し、心の病気や精神疾患の発症と、栄養の不足・過剰・バランス異常との関係について研究が行われ、食生活や栄養補充療法による治療法が開発。海外ではすでに医療現場に取り入れられています。

現代は飽食の時代にもかかわらず、栄養バランスが偏っている人が多いうえ、朝食を摂らず、食生活も乱れがち。加えて、運動も睡眠も不足している人が多い。食事・運動・睡眠がしっかりとれていれば、ストレスを感じても跳ね返すことができますが、いずれかが不足してバランスがくずれるとストレスが積み重なり、心の不調につながっていくのです」と功刀教授。つまり、心の病気も生活習慣病の一つなのだという。

さらに、現在はコロナ禍によってストレスが増加。自粛生活で人と話す機会が減り、行動も制限されてストレスを解消する手段も減少。勤務先の業績不振など将来への不安を抱えている人もいるだろう。また、テレワークで運動不足が加速し、生活サイクルや食生活も乱れやすく、心の不調に陥りやすい状況になっている。

ビタミン、ミネラル、アミノ酸、食物繊維などが心の不調に影響する

「心の不調を防ぐには、まずは食事を見直すことがポイント」と、功刀教授は言う。

ふだんの食事について、次の項目をチェックしてみよう。当てはまる項目が多いほど要注意だそうだ。

□加工肉やファストフード、スナック菓子、精製小麦でつくったパン、白砂糖、味付け乳飲料をよく食べたり、飲んだりする
□野菜や果物をほとんど食べない
□1日1食、もしくは2食しか食べない
□毎日のように外食をしている
□偏食または拒食である
出典:功刀浩監修『うつぬけごはん』(扶桑社ムック)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不

ワールド

アングル:またトランプ氏を過小評価、米世論調査の解

ワールド

アングル:南米の環境保護、アマゾンに集中 砂漠や草

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中