最新記事

コミュニケーション

「正義感」と「偽物の人」に注意! SNSを居心地のよい場にする方法

2019年8月9日(金)18時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

AntonioGuillem-iStock.

<好きなのに、必要なのに、SNSに疲れていないだろうか。ツイッターやフェイスブックを「居心地のよい居場所」にするには、いくつかのコツがある>

今ではネットワークづくりやコミュニケーションのツールとして、ツイッターやフェイスブック、LINEなどのSNSを全くやらない人を見つけるほうが難しい。しかし、ネットでのコミュニケーションで無理をしているというような「SNS疲れ」を感じている人もいるのではないか。

だからと言って「じゃあ、SNSをやめればいい」と簡単に言えるものでもないだろう。プライベートでも仕事でも、SNSがないと支障をきたすという人は少なくないし、多くの人にとってSNSは「居場所」の1つでもあるからだ。

生きていくためには、人間関係で悩む必要がない、居心地のよい居場所が必要だ。それはリアルな場であろうがSNSであろうが関係ない。そして、そんな居場所を確保するためのコミュニケーション方法は「インプロ」を通して学ぶことができる――。

そう主張するのが、『自分の居場所はどこにある?――SNSでもリアルでも「最高のつながり」の作り方』(CCCメディアハウス)の著者、渡辺龍太氏だ。

放送作家であり、インプロのワークショップを全国各地で開催するコミュニケーション術の「伝道師」でもある。これまでも『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』(ダイヤモンド社)、『ウケる人、スベる人の話し方』(PHP研究所)といった本を世に送り出してきた。

インプロとは何か。渡辺氏はかつて、コミュニケーションが苦手で、人付き合いがうまくいかずに苦労していたという。だがアメリカの大学留学中に即興演劇がベースになったコミュニケーション術であるインプロを学び、コミュニケーション下手を克服。さらには引きこもりからも脱出した経験を持つ。

あなたはSNSで無理していないだろうか?

ここでは『自分の居場所はどこにある?』からSNSでの居場所づくりのコツを一部抜粋し、2回に分けて掲載する。

◇ ◇ ◇

SNSは見栄を張りやすい居場所でもあります。どこかのコミュニティに入ったり、主催したり、ネットで居場所づくりをすると、他の人がキラキラ輝いて見えると思うことが増えてくるでしょう。たとえば、SNSでフォロワーの多い人には、一目置かざるを得ない気分になりがちです。

しかし、フォロワーは戦略的に増やすことができます。知らない人をフォローし、フォロー返しをもらうやり方でフォロワーが10万人規模にまでなっている人もいます。また、最近では社会問題にもなっていますが、偽物インフルエンサーなど、フォロワーを買っている人もいます。ですから、フォロワー数で、その人の影響力を判断することはしないほうがいいですし、そもそもできません。「フォロワー=反応」ではないのです。

また、文章にも注意が必要です。大物感を出すために、「今、すごい人と、すごいプロジェクトの打ち合わせしてます」というような、投稿をする人です。誰をすごい人と認識し、何をすごいプロジェクトと定義するかは、書いた人のさじ加減です。ですから、本当にすごいかどうかは誰にもわかりません。

また、講演会に行って、終了後に質問しただけなのに、「◯◯(有名人)さんと、この前、お話ししたんですが〜」と、あたかも知り合いのような投稿をする人を見かけたことはないでしょうか。そういう人を変に尊敬して、あなたが利用されないように注意しましょう。

ちなみに、インプロでは自分の立場を高く見せるための行動を「ステイタスを高めるためのアクション」といいます。しかし、ステイタスを高めようと思えば思うほど、逆に低く見えることがあります。なぜなら、本当にすごい人はステイタスを高めるようなアクションを起こさずとも、ステイタスが高い状態を維持しているからです。つまり、そんな行動を起こすこと自体が「小物」であるという逆説です。 

ネットの世界でも「ステイタスを高めようとしている」という匂いがする人は、偽物である可能性がかなり高いことを理解しておきましょう。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

仏当局、ディープシークに質問へ プライバシー保護巡

ビジネス

ECB総裁、チェコ中銀の「外貨準備にビットコイン」

ビジネス

米マスターカード、第4四半期利益が予想上回る 年末

ワールド

米首都近郊の旅客機と軍ヘリの空中衝突、空域運用の課
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 10
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 3
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 4
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 5
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 10
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中