ベトナム依存、トランプ関税でNIKEなどスポーツ用品会社に打撃...「人は衣料品のコスト増に敏感」
香港のアパレル・アクセサリー調達会社MGFソーシングのCEO、マイケル・イー氏は、カンボジアの工場は中国やベトナムから生産拠点を移そうとしている小売業者からの注文が増えているため、価格を5─10%値上げしていると述べた。
ナイキ、アディダス、アメアスポーツは、ベトナムの関税に関するロイターの質問に対してコメントを控えた。ルルレモンとコロンビアスポーツウェアはコメント要請に返答しなかった。
専門家によれば、朗報としては、ベトナムからの輸入品、特に衣料品に対する関税は中国ほど高くならない可能性が高いということだ。
ベトナム政府の指導者たちは、トランプ大統領と良好な関係を築こうと、米国からの輸入増、関税引き下げのほか、トランプ氏顧問であるイーロン・マスク氏が所有する衛星会社スターリンクがベトナムでインターネットサービスを提供することを許可するなど、いくつかの措置を講じている。一方、トランプ氏がオーナーの事業グループ、トランプ・オーガニゼーションは、ベトナムでホテル、不動産、ゴルフ場プロジェクトなど、総額数十億ドル規模となり得る投資を検討している。
ベトナム株重視のフロンティア・マーケット・エクイティ戦略を運用するティー・ロウ・プライスのポートフォリオ・マネジャー、ヨハネス・レフストランド氏は、「ベトナムは地政学的なゲームを非常に巧みにプレイする能力があることを証明した」と語った。
第1期のトランプ政権で商務長官を務めたウィルバー・ロス氏は、トランプ大統領はベトナムと概ね良好な関係を築いており、一般市民に影響が出るようなレベルの関税でベトナムを厳しく攻撃する理由はないと語る。
「人々は衣料品のコスト増に敏感だ。頻繁に購入するからだ」


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