ベトナム依存、トランプ関税でNIKEなどスポーツ用品会社に打撃...「人は衣料品のコスト増に敏感」
しかし、今回の関税は特にナイキにとって死活的に重要なタイミングに重なった。同社は近年、オンやホカなど、より斬新で革新的とされる競合他社に市場シェアを奪われており、先月の四半期決算発表では、最高財務責任者のマット・フレンド氏が来四半期も引き続いての収益減少を予想しているからだ。
ナイキ株を保有するコロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのシニア株式アナリスト、マリ・ショア氏は、収益の見通しは現行の関税を織り込んだものだと指摘する。「だが、状況が悪化したらどうなるかは分からない」
衝撃に備える業界
より小規模で新興のスポーツウェアブランドの中には、ベトナムへの依存度がさらに高いブランドもある。急成長中のランニング用アパレルブランドの「オン」は、2024年にシューズの90%、アパレルとアクセサリーの60%をベトナムから調達した。
オンの靴は元々高価で、1足130ドルから330ドルで販売されている。同ブランドの最高執行責任者サミュエル・ウェンガー氏は、関税は価格を決める際に考慮する要素の一つだとした上で、「当社の高級ブランドには、慎重に価格設定を調整する能力がある」とロイターに語った。
市場調査会社サーカナの靴業界のアナリスト、ベス・ゴールドスタイン氏によると、米国のスニーカーの平均価格は2019年以来25%上昇しており、その一因は生産コストの上昇だ。サーカナの消費者追跡サービスによると、2021年以来、米国のランニングシューズの売上は16%増加し、74億ドルに達した。しかし、最近の米国の消費者信頼感は4年ぶりの低水準に達しており、さらなる価格上昇は受け入れられ難い可能性があるという。
ベトナムから生産拠点を移転するのも簡単なことではない。カンボジアやインドネシアなど他の東南アジア諸国も関税に直面する可能性があるほか、これらの国でもすでに生産コストが上昇し始めている。