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分からなくても「毎朝15分」難しい本を読むことで起きたこと...人生を変える読書術

2023年4月4日(火)08時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

「分からない」ことで開かれる可能性

たとえば、〈数ページに一カ所くらいは、「何について書いているのかだけは、いちおう分かる」〉という文章に出会い、嬉しさを実感しながら線を引く。

たとえば、歯ごたえがありすぎる文豪の文章も、〈豪速球にバットを振って、当たらない。しかし、バットを振ること=物理的に読むこと、それだけはできた〉という体験を味わう。それによって、我慢して本を読むことを覚える。

たとえば、結論が分からないならば、なにが分からないかを自分の言葉にする。疑問を言語化できれば、自分の読書はそれなりの深度を得たと理解する。

それぞれのより深いロジックや、分からない読書を楽しむ具体的なテクニックについては本書に詳述されているので、ぜひ確かめてみてほしい。

しかし、そうは言っても、結論・答えに達しないならば、本を読む意味などあるのだろうか? 何のために本など読むのか? 疑問を言語化できれば、それでいいのだろうか?

 そもそも問う能力がないから、読書に「答え」を待つようになる。読書とは、答えや結論を得る方便ではない。読書とは、新しい問い、より深い問いを獲得するための冒険だ。「問い」が、そのまま「答え」になっている。終着駅ではない。始発駅に立つために、本は読む。

 そして、問いを発見した人が、世界を変える。答えは、世界を動かさない。
 なぜなら、世界にも、人生にも、そもそも「答え」はないから。
111ページより

問えるわたしは、世界を、変えるのである。


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百冊で耕す 〈自由に、なる〉ための読書術
 近藤康太郎[著]
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