最新記事

時間管理術

「3分は長い」時間管理が上手な人に特有のマインドとは?

2022年12月21日(水)14時52分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
タイマー

Yusuke Ide-iStock

<多数の連載を抱え、年間に何冊も本を出し、双子の母親で、義父母の介護もこなしているのに、涼しい顔をしている超多忙の人気エッセイスト・村井理子さん。どのように時間管理しているのか?>

エッセイストで翻訳家の村井理子さんは、多数の連載を抱えながら、年に何冊もの翻訳書や自著を出版し、プライベートでは思春期の双子の男の子の親であり、義父母の介護もする主婦でもある。

多くのタスクをこなしているにもかかわらず、穏やかでいる秘訣とノウハウを『いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術』(CCCメディアハウス)より抜粋する。

◇ ◇ ◇


カップヌードルができるまで──3分は長いと気づくということ

一体どうやって時間をやり繰りしているのですか? と聞かれることが多い。それは私が、双子男児を育てつつ仕事をし、そのうえ義理の両親の介護をし、トドメに大型犬を飼っているからだろうと思う。いつも返答に困るのだが、私が意識して大事にしていることは確かにある。

それは隙間の3分程度の時間だ。

3分というと短い時間のように思うかもしれないが、カップヌードルができ上がるまでの時間を想像して欲しい。びっくりするぐらい長いのではないだろうか。永遠かよと思うときだってある。

あの長い待ち時間とおなじく、私にとって、3分は大変大きな意味を持つ。サスペンス映画の3分では、誰かが絶壁から凍てつく海に落下したり、地球が滅亡したり、殺人鬼が追いかけてきたりする。それほどたっぷりとした長さがある。だから、3分の空白時間があると判断したら、即座に何かやっている。

その何かとはたとえば、食洗機に皿をセットするとか、風呂に洗剤を拭きかけるとか、そんなシンプルなことだ。しかし、その3分で行った作業が、その後、たっぷりと時間を節約してくれることを私は知っている。だから、3分あったら何でもできると思ってしまう。

読書も同じだ。読む時間をどうやって確保しているのですかという質問もよく受けるけれど、3分あれば結構な分量を読むことができるし、3分のシンプルな作業で節約できた時間でゆっくり読むことだって可能だ。

要は、自分の時間をどのように使うか意識することだと思う。3分は決して短い時間ではない。湯を注いだカップヌードルを待つ時間の長さを常に意識して暮らす人が地球に増えて欲しい。

どうしたら時間をやり繰りできますか? という質問への答えは、「3分を無駄にしない」だ。3分を長いと感じるようになったら、あなたはもうプロである。


 『いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術
 村井理子[著]
 CCCメディアハウス[刊]


 (※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中