暴走止まらない橋下徹市長、なぜその「正義」が通用してしまうのか
11月14日のツイートで橋下市長は、YouTube動画のリンクを貼り付けたうえで「大阪市議会共産党幹事長山中氏『選挙が終われば自民党は共産党の言いなりになる!』」とツイートしたが、該当のYouTube動画を見ても、そのような発言は確認できない。いかにも脇の甘いツイートだが、この手の煽りは「『勝敗』と『正否』とを同一視」している彼の常套手段である。つまり、動画を確認して「嘘つくなよ」と憤る人よりも、勢いまかせのテキストに「マジかよ!」と反応してくれる人の数が勝るのであれば、それが彼にとっては正しいのである。
彼の得意技である「テレビニュースが使いやすい数秒のコメント」、「端的なツイート」という、厚みに欠ける攻撃の連鎖がもたらした空疎を、腰を落ち着けて熟考した2冊の書籍が丁寧に捌いていく。「『勝敗』と『正否』とを同一視している」彼からしてみれば、この手の本も、いつもの「だったら選挙出て倒してから言えよ」で処理しようとするのだろう。
「東のど真ん中」では民主主義が軽視されているが、「西のど真ん中」では藤井が「ブラック・デモクラシー」と名付けるように、民主主義が黒光りしている。どっちもどっちだが、化けの皮が剥がされぬまま繰り返されようとしている後者は、「東のど真ん中」がこれから持ち込もうとしている手法のひとつでもあることを肝に銘じておきたい。
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