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離婚と、リストラの不安──ベテラン写真家が自身を投影した作品
被写体へのアプローチの仕方は気負いのない、ある種典型的なドキュメンタリー作家の手法だろう。あるがままの瞬間を狙って、被写体に気づかれる前にシャッターを押すことが多いが、一方で信頼性を築くため、撮影前に被写体とコミュニケーションを取ることも少なくない。ただ、正式に許可を求めることは通常はなく、親しくなったある時点で自然な感じで撮影を始めるという。
そのせいか、微妙な距離感が彼の作品には漂っている。心地良いが、時として緊張感を強いられる、あるいは疎外感を感じる距離感だ。それが作品の色調、つまり華やかさと落ち着きをはらむパラドックス的な要素と相まって、加速され、平凡な日常のシーンに不可思議な感覚を生み出しているのだ。
実のところ、こうしたものは、冒頭で触れたように、エコノモプロス自身の内面から来ている。彼は数年前に離婚し、そのせいでうつ病を抱えていた。また、近年のジャーナリズム界のリストラを目にし、将来に大きな不安も抱えている。それらが自らのメタファーとして、コニーアイランド・シリーズには反映されているのだ。キューバ・シリーズも、自身が9.11後に被ったPTSDのセラピーとして始まった。
とはいえ、こうしたシリーズは、エコノモプロスの単なるダークサイドの投影ではない。9.11の数週間後に初めてキューバを訪れた際、彼はアメリカ人として反感をもって迎えられると思っていた。だが、9.11の悲劇を知っていたキューバ人たちは、それも通りすがりの見知らぬ人までが、エコノモプロスを抱きしめて同情してくれたという。
その時、それが人生だ、と思った。辛いだけでなく、思いがけない喜びや幸せも巡ってくる。それを写真を通して感じたい、表したいんだ、と彼は言う。
今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Aristide Economopoulos @aeconomopoulos
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