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Heatに覆われたイスラエルへの愛憎──アイデンティティを超えて
インタビューでその理由を語ってくれた。まず、紛争や暴力の匂いがしない理由については、政治的な作品は後退的な面を持っているからだという。イスラエルの兵士たちもパレスチナ人たちも、戦いと暑さの中で苦しんいる。どちらも勝つことはないだろう、だから自分は実在主義的なものとディールし、どちらが正しいとか悪いとかは追求しないのだと。
何かに取り憑かれた、という点については、こう語ってくれた。確かにそうなっていると思うし、そうした要素を含んでいると評価されるのは嬉しい――。
だが、何に取り憑かれているのかは、チチク自身も説明できないという。もしかしたら自分自身の不安、現在や未来に対する恐れ、あるいは我々よりはるかに強い何かに対する恐れから、この感情は来ているのかもしれないと彼は語った。
さらに彼には「ユダヤ人であるか」と質問した。単に、確認する意味合いでだ。するとストレートには答えず、代わりにこんな答えが返ってきた。自分自身を人間以外の何かであると感じることはないし、他人に対してもそのように見ている――。
そして再び、自身の写真について触れ、そうした意味で、作品は宗教や土地といったアイデンティティ的なものと相反するとチチクは言う。そうした価値観はむしろ作品に取り入れたくない、と。
こうしたチチクの写真・人生哲学は、彼の生い立ちから来ているのかもしれない。彼はイスラエルのみならず、アメリカ、ドイツという異なる環境でも育ってきた。さまざまなHeatを経験したことだろう。
今は世界で最もホットな場所の1つであるイスラエルで、独自のHeatを見つめて、その探究を行っているのである。
今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Daniel Tchetchik @danieltchetchik
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