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日本のコロナ危機が示した、機械翻訳依存の危うさと専門用語の日英「誤差」
まず、外国人はまだ人口の2%程度だが、それでも260万人を超え、今後も増える見通しだ。日本は皆が協力して助け合うことを大切にする社会だが、それを完全に実現するには外国人もその中に入れる必要があるのではないか。もちろん外国人が日本語を学ぶのが理想的だが、全員に高い日本語能力を期待するのは現実的ではない。
英語での情報発信が重要であるもう一つの理由は、日本の対策が他国から理解されず、批判される原因になり得ること。英語のメディアやSNSでは「五輪のためにわざとPCR検査を抑えていた」や「日本は本当のコロナ死亡者数を隠している」などの陰謀説がたくさん流れている。正確な情報を英語で発信すれば、そのような誤解が生じる可能性も低くなる。
最後に、英語力を強化することで、日本が世界にもっと貢献することを期待したい。たとえ日本だけが封じ込めに成功してもパンデミックは終わらない。日本の専門家がコロナとの戦いで学んだことは多いはずだが、その報道は英語であまり見られない。日本の知見をぜひ共有してもらいたい。
これは今回の危機に限った話ではない。在日そして訪日外国人たちのためにも、世界に対する役割と責任を果たすためにも、今後も英語力はますます必要となるだろう。
<2020年5月5日/12日号「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集より>
【参考記事】スマホは使うがパソコンは苦手──コロナ禍で露呈した日本の労働力の弱点
2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。
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