コラム

ITの進化がファシズム復活に手を貸す/fall for(に引っ掛かる)

2018年05月30日(水)11時53分

www.ted.comより

【今週のTED Talk動画】
Why fascism is so tempting - and how your data could power it
https://www.ted.com/talks/yuval_noah_harari_why_fascism...

登壇者:ユヴァル・ノア・ハラリ

「ファシズム」という言葉を聞くと、どこか歴史の教科書で読んだ話としか思わない人もいるかもしれないが、このTEDトークで歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、実は今、ファシズム復活の危険性が高まっていると指摘している。

このトークでハラリ氏は、ファシズムがどういうものかを定義し、国家主義との違いについても説明している。第二次世界大戦やホロコーストを見ると、ファシズムの悪というものを十分に理解できるが、人を誘惑してしまう側面も忘れてはいけないという。

そしてハラリ氏は、情報システムの進化の結果として、独裁者が力を持つようになる恐れがあると警告している。我々市民は常に用心し、自分の感情が奪われないように警戒しなければならないそうだ。変化が速く、情報がますます「武器」として使われているこの世の中で、これはタイムリーなメッセージだと言える。

キーフレーズ解説

fall for
~に引っ掛かる
(動画13:51より)

fallという言葉は動詞として、落ちる、倒れる、滅びるなどの意味を持ちます。そしてこれにforを付けると「~に引っ掛かる」という意味になります。何かにだまされたときに使われ、また恋に落ちたときにも使われます。fallと同じように、バランスを失って重力に負け、どうしようもないというニュアンスを持っています。

ここでいくつかこの表現を用いた例を紹介します:

●Did you really expect me to fall for that old trick?
(私がそんな常套手段にだまされると本当に予期していましたか?)

●He fell for her the moment he met her.
(彼女と出会った瞬間、彼は恋をした)

●That was just a pretext, but you fell for it.
(それは口実だけでしたが、あなたはそれに引っ掛かりましたね)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

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