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日本の生産性低下を招いた、2つの根本的な原因
日本の商慣行の改革が進まない、という以前の問題がある gyro/iStock.
<特に製造業の生産性が低いのは、高付加価値産業へのシフトに失敗したこと、生産拠点だけでなく研究開発機能も国外に出してしまったことが大きな原因>
ここ数年、日本の生産性を示す統計が出るたびに「G7の中で最低」だとか、先進国中で「20位」、長期バカンスを取る「ラテン系」のスペインやイタリアより低い、そんな「自虐的な報道」が恒例になっています。今年も12月19日に日本生産性本部が統計を公表しましたが、同じようなニュアンスの報道が多かったようですで。
今回は2017年のデータが発表されたのですが、日本の「時間あたり生産性」はOECD加盟国中20位、「就業者1人当たりの生産性」は21位と、確かに惨憺たる状態が続いています。
その原因として対面型コミュニケーションにこだわり、原本主義や捺印などによる膨大な文書の管理をし、会議や行事あるいは謝罪なども含めた「セレモニー過多」といった日本型の事務仕事というカルチャーがある、そんな理解も広まってきました。
また、年功で昇進した管理職の専門スキル不足のために組織にスピード感がないとか、「おもてなし」と言われる過剰サービスが安く買い叩かれている、そんな議論も多くなってきました。いずれも正しい指摘だと思います。
こうした問題の改革は待ったなしですが、それ以前の問題として、どうして日本の生産性、特に製造業の生産性が低いのかという根本的な2つの原因については、誤解が多いようです。
1つ目の誤解は、80年代までは高付加価値産業だったエレクトロニクスなどが、価格破壊という時代の波にさらわれて、アジア諸国と比較して価格競争力が下がったというストーリーです。
まるでアジア各国に世界の工場の地位を奪われ、同時に価格破壊でデフレ体質になったのだから日本経済は被害者というような解説ですが、これはおかしな話です。戦後の日本経済は、自転車や玩具などの軽工業からオートバイ、そして造船や繊維へと産業構造を転換していきました。
そして家電や自動車が主要産業になるにつれて、造船や軽工業といった産業は他のアジア諸国に譲っていったのですが。同じように、80年代から90年代にかけて、自動車や家電が競争力のあるうちに、より高付加価値の宇宙航空、金融、ソフト、バイオ、製薬、エネルギーなどの産業へのシフトを開始すべきでした。
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