- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 日米首脳会談で示されなかった、南北和解後の未来ビジ…
日米首脳会談で示されなかった、南北和解後の未来ビジョン
例えばですが、現在のところ、米朝交渉では「朝鮮戦争の法的な終結」が模索される可能性が指摘されています。その場合は、駐留国連軍(PKF)の解散を意味するのか、その場合は在韓米軍も撤退するのかという問いが突きつけられます。今週19日には、「非核化の見返り」として北朝鮮側は在韓米軍撤退を求めないという報道が流れましたが、仮に当面はそうだとしても、南北接近が進めば朝鮮半島におけるパワーバランスは変化します。
そうした流れの先に、仮に予見できる将来に、準備不足のままベルリンの壁が崩れるように南北の統一が進めば、3つの問題が生じます。1つは、北朝鮮地域に一気に高い生活水準を保障すると、韓国の経済では支えられずに経済的に共倒れになってしまうという問題です。2つ目は、周到な準備をしないと、地域間対立や南北出身者間での誤解や差別といったトラブルにより社会が不安定になるという問題です。3つ目は、仮に北朝鮮側(と韓国の左派)が主導権を取った場合に、韓国の国軍(の一部)や保守派が動揺するという問題です。
この3つの問題については、仮に発生した場合には、日本には大きな影響があります。武装難民がどうとか、スリーパーセルがどうといった話とは次元の違う大きな問題になり得るのです。それ以前の問題として、朝鮮半島での「冷戦的なバランス」が崩れることで、より一層の人道危機が起きては大変です。
そのような制御できない激変を避けるためにも、日米は「東アジアのあるべき姿」のビジョンを描き、それを共有し、そのビジョンに基づいて行動することが望ましいわけです。今回の日米首脳会談では、そうしたビジョンの片鱗すら見えなかった、これは極めて残念です。
トランプ政権というのは、ビジョンを組み立ててからその手段として行動を立案するような「ことはしない」性格を持っているのは誰でも知っています。ですが、今回という今回は、そうしたビジョンがなくては先へ進めない局面です。現状維持なら現状維持で、具体的には「どのような意味合いの現状維持」になるのか、そこに意味がある中で、これはやはり不安を感じずにはいられません。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員