- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- トランプの「暴言」は、正式候補になってますますエス…
トランプの「暴言」は、正式候補になってますますエスカレート

Kacper Pempel-REUTERS
<共和党の正式な大統領選候補となったトランプだが、暴言はますますひどくなっている。NATOの集団的自衛権を否定したり、WTO加盟を抜けると言ってみたりと、外交的な悪影響がある発言は無視できない>(写真は先月のNATO演習に参加した英軍パラシュート部隊)
先週21日に党大会で「指名受諾演説」を行って、正式に大統領選における共和党の統一候補となったトランプですが、いよいよ本選というこの段階になってもその「暴言」は止まりません。
トランプは選挙戦の初期から「イスラム教徒の入国禁止」とか「不法移民の強制送還」などと言い続けてきたわけですし、また日本に関しては「貿易の不均衡を是正する」とか「駐留米軍の経費を100%負担しないなら撤退する」「米軍撤退の場合には核武装を認める」「TPPは撤廃」などとも言ってきました。
何が問題かというと、こうした「暴言」は比喩であったりファンタジーであったり、要するに非現実的なのですが、「暴言の持つ虚構性」と「現実」の間を埋める気配がまったくないことにあります。それどころか、ここへきて「暴言」が加速している印象すら受けます。特に軍事外交の微妙な問題について、立て続けに問題発言をしているからです。
まず21日付のニューヨーク・タイムズに掲載された独占インタビューですが、特に「バルト三国にロシアが侵攻しても自動的に反撃しない」という部分は、どうしても見過ごすことはできません。
【参考記事】異例尽くしの共和党大会で見えた、「トランプ現象」の終焉
この発言がなぜ問題なのかというと、これは北大西洋条約機構(NATO)の集団的自衛権を否定しているからです。NATOは「集団安全保障体制を構築する」だけでなく、「いずれの加盟国に対する攻撃も全加盟国に対する攻撃とみなす」ことを条約で相互に義務付けており、そのことで「集団的自衛権」が自動的に発動され、陣営に対する攻撃への抑止力とするものです。その根幹を否定しているのです。
タイミングも問題です。というのは、今月8~9日にポーランドのワルシャワでNATOの首脳会議が開かれたのですが、その中でロシアの軍事的脅威を抑止する目的で、バルト三国とポーランドへの4大隊4000人の展開を正式に決定していたからです。その決定が抑止力目的の政治的行動であるならば、トランプ発言はその抑止力を横から壊していることになります。
さらにこのような言動の先には、日米安全保障条約におけるアメリカの防衛義務について、その「条約の縛りによる抑止力」を減じる可能性があることも指摘できます。大変な問題発言です。
施政方針演説で気を吐くトランプに、反転攻勢の契機がつかめない米民主党 2025.03.06
令和コメ騒動、日本の家庭で日本米が食べられなくなる? 2025.02.26
ニューヨーク市長をめぐる裏切りのドラマがリアルタイムで進行中 2025.02.19
トランプの政策に日本の現状を重ねて共感するのは、とんだお門違い 2025.02.12
石破首相は日米首脳会談でガザ難民受け入れ問題をスルーするべき 2025.02.06
「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由 2025.01.29
驚きの大統領就任演説、インフレ退治を約束したトランプ 2025.01.22
-
外資系旅行会社の旅行手配
EXO Travel Japan株式会社
- 東京都
- 月給25万1,000円~
- 正社員
-
「外資系」ITヘルプデスク「英語:中級以上」/ITコンサルティング
エイラシステム株式会社
- 東京都
- 年収400万円~650万円
- 正社員 / 契約社員
-
貿易事務/流通関連 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万7,000円~
- 正社員
-
「セールス」外資ならではの働きやすさ/ホテル業界向けの業務管理システム提供/リモート可/2018年日本支社設立/32カ国・地域に7 000名以上のグローバルカンパニー
Shiji Japan株式会社
- 東京都
- 年収700万円~1,100万円
- 正社員