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3月14日開業が決まった北陸新幹線に死角はないか?
一つ心配なのが、東京駅のキャパシティーです。JR東日本の「東北・上越・北陸・山形・秋田新幹線ホーム」は20番線から23番線の2面4線しかありません。そこを現在は、4分間隔で折り返しができるようなソフト、ハードのインフラがあるのです。素晴らしい「ワザ」を持っている清掃部隊も、その一つです。
今回の「金沢直通24往復+あさま16往復」の40本も、この4分間隔のスロットに入るということでは問題はありません。問題は、繁忙期や遅延時への対応です。現在のJR東日本はホームや階段等での事故を防止するために、多客時の入場制限についてのノウハウを持っています。ですから、安全面に関してはあまり心配していません。
ですが、それでも4分ごとに12両編成の北陸新幹線と、17両編成の東北・秋田新幹線などが折り返していく東京駅では、乗客へのサービスのクオリティという面で繁忙時のキャパはかなり心配です。この問題に備えるためには、平常時から東京駅での乗降客を減らしておかねばなりません。
そこでJR東海が東海道新幹線でやっているように、東京圏での乗降駅を「分散する」作戦が必要になってきます。JR東海は、様々な試行錯誤の結果、現在では「のぞみ」を含めた東海道新幹線の全便を「品川・新横浜」に停車させています。これにより東京での乗降客を減らして、折り返しの時間短縮を実現しているのです。
JR東日本も、もちろんそのために新幹線の上野駅、そして大宮駅を使っているのですが、カギを握るのは大宮駅だと思います。従来から池袋・新宿などを経由して東京の西側と行き来する人には、東北・上越・北陸新幹線との乗り換えは「大宮が便利」ということが浸透しています。埼京線や湘南新宿ラインが直通しているからです。
これに加えて来年3月には、新幹線の金沢延伸と同時に東北縦貫線(愛称は「上野東京ライン」)が開通します。つまり、東北線や高崎線の列車(常磐線の一部もそうですが、こちらは大宮は無関係)が、上野、東京経由で品川から東海道方面に直通するのです(一部は品川で折り返す可能性も)。
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