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日本で保守派を巻き込んで同性婚を合法化する方法(パックン)
例えば、同性カップルがインディアナ州の役所では婚姻届けを受け付けてもらえなかったとしよう。2人は(ちょいと、ロマンチックなドライブをして)隣のイリノイ州に行けば、婚姻届けを出せば受理してもらえる。その後インディアナ州に戻れば、婚姻関係が認められるわけ。恋人同士として出発して、配偶者同士として帰ってくる!
もちろん、税控除や相続権、親権、などは異性夫婦と同じ扱いになる。半日の旅で「彼氏」が「旦那」に! 「彼女」が「妻」に! 2人の暮らしが「結婚生活」に! 2人の口論が夫婦(夫夫、婦婦)喧嘩に! 夢があるね......。
「絶妙な技」が効いた法律
考えてみれば、ごく普通のことを定めた法律なだけだ。州境を越えても法律上の扱いが変わらないというのは「合衆国」の運営上、必要不可欠なルール。ある州で交わされた契約はどこの州でも有効とされて当たり前なのだ。コロラド州で買った車でワイオミング州に行っても、車の所有権は取り消されない。会社員が州外出張に言った瞬間に雇用契約が解消されることもない。
同じように、州の境を超えても、婚姻関係は解消されない......はずでしょう? しかし、実は、そうではなかった。1996年のDefense of Marriage Act(結婚防衛法)によって、同性婚がこのルールの例外として定められた。他の州で結婚した2人でも、同性婚禁止の州にいるかぎり、法律上ただのカップルに戻されてしまう。結婚祝いを返すかどうかは自由だけど。
ちなみに、この「結婚防衛法」という名の法律は、不倫で有名なクリントン大統領が署名したもの。まず、自分の結婚を守れ! ってね。
今回の法律は同性婚を例外的な扱いから普通の扱いに戻しただけだ。しかし、これが絶妙な技。この妥協のおかげで保守派の(一部の)支持を獲得することができたのだ。
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