コラム

安くて便利なデフレ・ジャパン、暮らしやすくて最高......なんだけれどね

2022年08月16日(火)17時05分

物価の安い、暮らしやすい日本、最高だ!!

──と、感心するだけでは、少し浅はかすぎる。

企業や政府、国民一人一人の努力と我慢のおかげでこんなに安くて居心地のいい日本が成り立っているのだ。本来は、「賃金アップ」という名の謝礼で頑張っている皆さんが報われるはず。でも、残念ながらそれがない。

実質賃金が上がらないと、国民の生活水準が上がらない。健全なインフレも起きない。さらに、世界に対する購買力が上がらない。輸入品も海外旅行も、企業の海外進出もますます高くなる。

それに、優秀な人材を日本に招き入れるのも難しくなる。1993年には物価は高かったが、ものすごく優秀な人が日本に働きに来た。少なくとも1人は......。

「物価が安くて暮らしやすい日本」が大好きだが、本当は「賃金が高くて暮らしやすい日本」を目指したい。所得も倍増していれば、インフレも怖くない。

200均でも、にせんべろでもツーコインタクシーでも構わない。タクシーを硬貨2つで払うルールなら面倒くさいけど。

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プロフィール

パックン(パトリック・ハーラン)

1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『パックン式 お金の育て方』(朝日新聞出版)。

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