- HOME
- コラム
- パックンのちょっとマジメな話
- 安くて便利なデフレ・ジャパン、暮らしやすくて最高.…
安くて便利なデフレ・ジャパン、暮らしやすくて最高......なんだけれどね
もちろん、クオリティーの向上は、技術の進化、製造・販売・流通における運営手法の進化とグローバリゼーションのおかげであって、他国でも起きていることだ。でも日本では、ほとんど値段が変わっていないのに改善の恩恵を受けられている。
また、デフレの間も日本ならではの「暮らしの付加価値」が保たれている。
一番分かりやすいのは治安。どの町でも、どの時間帯でも、一人でも、街を歩いたり地下鉄に乗ったりATMから大金を引き出したりしても怖くない。暴力、スリ、空き巣、強盗などなど心配がほとんどない。僕は日本で8回ぐらい財布を落としているが、毎回返ってくる! しかも中身が減っていない! 少し増えて返ってくるぐらいだ。
「日本ランド」は税金も安い
日本の皆さんが「ゼロ円」で手に入れているこの安心感は、多くの国ではお金のかかるもの。実際、アメリカで治安のいいエリアに住みたい人はより高い家賃や地価を払うことになりがちだ。
近所を塀で囲って、入り口に門番を常備するゲーテッド・コミュニティーも多い。しかし、ゲーテッド・コミュニティーの空き巣発生率は普通の住宅街より33%低いというデータはあるが、それでも単純計算で日本の平均の5倍以上! アメリカ人は治安を確保したいなら、日本の家に住むべきだ。アメリカの会社までの通勤は大変だけど......。
数値化はしづらいが、日本暮らしの「副価値」はほかにもたくさんある。
ごみが落ちていない。人の身だしなみも、車の外観もきれい。店員が優しくて丁寧(それもチップなしで!)。みんな倫理観が強くて、言葉遣いも適切。乗り物は時刻表どおりに運行し安全だ。タクシーの運転手だって白い手袋を着けてるよ! ハンドルが貴重品なのかな......。
多くの国では、こんなに居心地のいい環境は高級リゾートやテーマパークなどの有料施設に限る。
「日本ランド」では入場料に当たる税金は払うが、それも比較的低い税率。それでも、道はきちんと舗装されている。学校教育のレベルが高い。救急車がすぐ来る。皆保険があって医療費も安い。つまり、公的サービスのコストパフォーマンスが素晴らしい。
ちなみに、アメリカの救急車は有料だ。1回乗ると平均で10万円以上。請求書が届いたときにもう一回救急車を呼ぶことになりそう! しかも、乗っても安心ではない。救急車が絡んだ交通事故は毎年約1500件に上り、平均33人が事故で死亡している。そういえば、救急車で事故った場合いったい誰を呼ぶんだろう?
トランプを再び米大統領にするのは選挙戦を撤退したはずのケネディ? 2024.09.19
トランプがバイデンに与えてしまった「必殺技」...最高裁判決で無限の権力を手中に? 2024.08.06
討論会惨敗の米民主党がここから「仮病」で大統領選に勝つ方法 2024.07.01
謎のステルス増税「森林税」がやっぱり道理に合わない理由 2024.06.11
新生活の門出にパックンが贈る「ビーカーの尿、バイアグラ、厚切りジェイソン」の教訓 2024.04.04
日本で「外国人を見た目で判断する」ことの弊害が噴出中 2024.03.16