【論点整理】英国EU離脱決定後の世界
4)実体経済への影響は? 欧州以外の世界へは?
欧州が停滞する分、世界経済にも当然マイナス。リスク資産市場はリスクオフになるので、下落するので、これも間接的にマイナスの影響。為替変動が与える影響はあるが、ドル高、円高なので、この二国にとっては、消費者にはプラス、輸出企業にはマイナス。
しかし、トータルで見て致命的なダメージではなく、リーマンショックと比べようもない。
5)欧州の経済はどうなる?
英国を失えば、EU全体の存在感は低下し、パワーも落ちる。よってマイナスがひとつ。
二つ目に、各国国内が混乱する。EU離脱派が台頭し、これを収めるために、さまざまなエネルギー、リソースを割かなければならず、マイナス。エネロス、効率低下で、マイナスふたつめ。
さらに、社会が分断され、社会的に不安定に。不安定な社会は経済にはもちろんマイナスで、マイナス3つめ。
4つめに、ロシアがこれに乗じて存在感を高める、ということが不安視されている。不安視されているだけで、欧州への投資は冷え込み、マイナス。
5つめに、本質的な影響はなくても、外から欧州への投資は手控えられるために、マイナス。
これだけのマイナスがあるので、かなりマイナスとなる。
為替も弱くなる。
一方、危機感が非常に高まるので、EUは以前よりも結束を強める可能性がある。
英国に続き、離脱者がでないように、全力を尽くす。どこの国も国民投票は全力で避ける。
ドイツとフランスも今までになく結束する。
EU官僚、規制の改革も進むだろう。
この結果、プラス面もある。
特に小国はEUが崩れては困るため、協力するようになるだろう。
難民の受け入れも最小限にし、EU内の移動の自由をなんとしても確保しつつ、実害を抑える。だから経済にも社会にもプラスになる可能性もある。
トータルではマイナスであることは間違いないが。
6)英国の経済はどうなる?
予想を上回るダメージを受けるだろう。
英国は独立してもやっていける、という議論は間違っている。なぜか。
第一に、ネットワークの利益は過去に比べて大きいし、日々大きくなっている。したがって、過去の経験則やイメージよりも、ダメージは大きい。
第二に、英国市場の存在感、規模がある程度大きく、欧州以外の国々にとって魅力がある、というのは、EUの玄関口としての価値が最低でも半分はある。それは一見英国自身の価値に見えるが、EUから離脱すれば失われるものである。
第三に、したがって、海外からの投資は急減する。
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