日本の炭鉱は「廃墟」「終わった産業」──とも限らない
例えば、北海道を代表する炭都として12万人近くが暮らしていた夕張は、本書によれば「石炭忘却による新奇な観光産業の創出」を目指した挙げ句、破綻した。この強烈な事例のおかげで、かつての炭鉱の町はどこも廃れてしまっていると思われがちだが、そうでもない。
地元の資源と炭鉱技術を生かして産業転換を成功させた常磐(茨城県・福島県)や、石炭の記憶と歴史を文化資源として再利用し、世界遺産へとつなげた三池(福岡県・熊本県・佐賀県)や長崎、そして今でも石炭を掘り続け、技術移転の中心を担う釧路といった明るい事例もある。
このように明暗がくっきりと分かれた旧産炭地の現状は、現在原発を抱える自治体にとって、廃炉後の町の可能性を示すものになるのではないだろうか。
ちなみに、炭鉱の賃金は多様な関係者の要求を反映させながら体系的に制度化され、常に調整される複雑なもので、一般にホワイトカラーの仕事よりも、直接富を生む現場採炭夫のほうが好待遇だった。この事実が読者を驚かせるとしたら、炭鉱を学ぶ意味が残っている証拠である。(14ページ)
確かに、日本の炭鉱は「終わった産業」だと本書も認めている。だが、単なる歴史の一ページになってしまったわけでもない。日本の近代化を支えた巨大産業は、現代社会のあらゆる側面の礎となっているだけなく、今なお未来につながる多くのヒントを与えてくれる「生きた先進事例」なのだ。
『炭鉱と「日本の奇跡」――石炭の多面性を掘り直す』
中澤秀雄/嶋﨑尚子 編著
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