トランプ関税、英ではインフレよりデフレ効果=グリーン中銀委員

英中銀のグリーン金融政策委員は、トランプ米大統領が導入を発表した関税は英国のインフレ率を押し下げる可能性が高いと述べた。今年3月、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Carlos Jasso/File Photo)
[ワシントン 25日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のグリーン金融政策委員は25日、トランプ米大統領が導入を発表した関税は英国のインフレ率を押し上げるのではなく押し下げる可能性が高いと述べた。ただ、英国の雇用主向け増税の影響については依然として大きな不確実性があると述べた。
国際通貨基金(IMF)春季会合の合間に行われたシンクタンク、大西洋評議会との討論でグリーン氏は「リスクは今やデフレの方向にあると考えている。英国に対する関税は、差し引きでインフレよりもデフレ効果の方が大きいと考えている」と述べた。
5月の英中銀の金融政策委員会を前に何に注目しているかとの質問に対し、グリーン氏は英国の生産性の伸び悩みと経済に対する供給側の制約を懸念していると回答した。
また、英国の予算が経済、特に労働コストの上昇に及ぼす影響についても大きな不確実性があると指摘した。社会保障負担増の実施に伴い、英国企業の人件費は上昇している。