ナチスへの復讐劇『手紙は憶えている』とイスラエルをめぐるジレンマ
ラストについては絶対に書けない。もしもあなたがこの映画を既に観ているならば「それは書けないよな」と同意してくれるはずだし、これから観るのなら、観終えてから「書けなくて当然だ」と納得してくれるはずだ。
映画は世界を反映する。角度によっていろんな断面が見えてくる。そしてこの映画は、今後の世界を構築するための大きなヒントとなる視座を提示した。
『手紙は憶えている』(2015年)
©2014, Remember Productions Inc.
監督/アトム・エゴヤン
出演/クリストファー・プラマー
マーティン・ランドー
ヘンリー・ツェニー
<本誌2025年1月14日号掲載>
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