自閉症の妹を売って生きる... 文句なしの問題作『岬の兄妹』が見せる今の邦画に足りないもの
2019年に公開されたこの映画については、「問題作」「衝撃作」などの修辞が常に付いて回る。ある意味で手あかの付いたフレーズだけど、この作品については全く違和感がない。確かに衝撃的な問題作だ。
兄と妹は底辺まで落ちる。極貧とか底辺とかのレベルではない。底が抜けて一線を越える。越えながら落ちる。何度も落ちる。落ちながらもがく。2人の俳優が素晴らしい。抑制した演出も見事だ。そして秀逸なラスト。振り返る妹の表情。貧しい港町。夕暮れの曇り空。
......今回は前置きが長すぎた。でもこの映画にはこれでいい。ぐだぐだ書く必要はない。観られることに特化した映画だ。今の邦画に足りないものを見せる。『福田村事件(仮)』はそれを目指しているが、違う角度からそれを見せつけられた。
『岬の兄妹』(2018年)
©SHINZO KATAYAMA.
監督/片山慎三
出演/松浦祐也、和田光沙、北山雅康、岩谷健司
<本誌2022年11月8日号掲載>
タイトルもストーリーも奇妙だけど、甘さと苦みの配合が絶妙な『ガープの世界』 2025.01.23
ナチスへの復讐劇『手紙は憶えている』とイスラエルをめぐるジレンマ 2025.01.17
和歌山県太地町のイルカ漁を告発した映画『ザ・コーヴ』は反日なのか? 2024.12.21
統合失調症の姉と、姉を自宅に閉じ込めた両親の20年を記録した『どうすればよかったか?』 2024.12.07
偶然が重なり予想もしない展開へ......圧倒的に面白いコーエン兄弟の『ファーゴ』 2024.11.22
韓国スパイ映画『工作』のような国家の裏取引は日本にもある? 2024.10.31
無罪確定の袴田巖さんを22年取材した『拳と祈り』は1つの集大成 2024.10.19
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
転勤無し/税務マネージャー「東京」年収~1000万円「世界5大会計事務所/外資クライアントメイン/在宅勤務有」
BDO税理士法人
- 東京都
- 年収600万円~1,000万円
- 正社員
-
転勤無し/外資系クラウドシステムの既存顧客担当営業「東京/大手中堅」
株式会社コンカー
- 東京都
- 年収800万円~1,500万円
- 正社員
-
外資製薬会社向けCRMシステムの運用保守支援/最寄り駅から徒歩10分圏内/経験者優遇/データ入力業務あり/年間休日最大125日
株式会社ビーネックステクノロジーズ
- 東京都
- 月給21万2,000円~55万円
- 正社員