コラム

「予測不能」なトランプの行動を予測する──今こそ、日本でも夜明けを迎える「未来学」

2025年01月22日(水)17時22分

現代のユートピアとディストピアの考え方まで話を進めると、未来、時間、場所についてはどのように語られているだろうか。今日のSF映画のいくつかは、「同じ場所、異なる時間」というベルの18世紀以降のタイプに分類されるだろう。例えば、『マッドマックス』(Mad Max)シリーズの舞台は地球だが、それは荒廃した未来の地球である。一方、現代の近未来映画の多くは、宇宙空間のコロニーを舞台にしている。例えば、『スタートレック』シリーズや『スター・ウォーズ』シリーズ、『エイリアン』シリーズ、『ターミネーター』シリーズなどである。これによって、ベルの他の2つのタイプとは異なる第3のタイプが生まれる。この第3のタイプは、今日では非常に一般的なもので、異なる時代(未来)と異なる場所(宇宙)が舞台となっている。

また、今日の大衆的なマスメディアには、ユートピアよりもディストピア的、さらには黙示録的なナラティブがかなり集中している。

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プロフィール

南 龍太

共同通信社経済部記者などを経て渡米。未来を学問する"未来学"(Futurology/Futures Studies)の普及に取り組み、2019年から国際NGO世界未来学連盟(WFSF・本部パリ)アソシエイト。2020年にWFSF日本支部創設、現・日本未来学会理事。主著に『未来学』(白水社)、『生成AIの常識』(ソシム)『AI・5G・IC業界大研究』(いずれも産学社)など、訳書に『Futures Thinking Playbook』(Amazon Services International, Inc.)。東京外国語大学卒。

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