コラム

6歳の中国人の日本への難民申請を手伝ったら、炎上した

2018年08月20日(月)18時40分

海外で中国政府を批判する「だけ」の時代は終わる

孫向文のことはもういい。冒頭で書いたように、正々堂々としていれば、炎上はやがて収まるものだ。それより私が気になっているのは、海外に暮らし、中国政府を批判する「だけ」の人間の時代が終わりに近づいているということだ。

今回、路徳の子供と義母の難民申請を手伝うことになったわけだが、路徳の番組「路徳訪談」には米在住の大富豪「改革者」である郭文貴も定期的に出演し、暴露を続けている。

詳しくは私の過去のコラム(中国大手32社が「不審死&経営難」海南航空と同じ運命をたどる!?   「中華文春砲」郭文貴と、29年成果なしの民主化運動家の違い)をご覧いただきたいが、郭文貴ら新しい世代の「改革者」たちには、実際に中国を変える力があると信じている。

今、「郭文貴現象」から「郭文貴時代」へと変わってきている――私はそう信じているのだ。日本では「郭文貴現象」ですらあまり注目されてこなかったが、この新しい動きに遅れず、ついて来てもらいたいと思う。

とはいえ、今回の件では迅速に対応してもらった。8月14日、ツイッターで無事に難民申請が認められたことを報告したところ、1800件以上の「いいね!」が付いた。路徳の子供は、9月から地元の小学校に入学できる見込みだ。

ここに改めて、日本政府と入国管理局、地元自治体への感謝を記したい。

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プロフィール

李小牧(り・こまき)

新宿案内人
1960年、中国湖南省長沙市生まれ。バレエダンサー、文芸紙記者、貿易会社員などを経て、88年に私費留学生として来日。東京モード学園に通うかたわら新宿・歌舞伎町に魅せられ、「歌舞伎町案内人」として活動を始める。2002年、その体験をつづった『歌舞伎町案内人』(角川書店)がベストセラーとなり、以後、日中両国で著作活動を行う。2007年、故郷の味・湖南料理を提供するレストラン《湖南菜館》を歌舞伎町にオープン。2014年6月に日本への帰化を申請し、翌2015年2月、日本国籍を取得。同年4月の新宿区議会議員選挙に初出馬し、落選した。『歌舞伎町案内人365日』(朝日新聞出版)、『歌舞伎町案内人の恋』(河出書房新社)、『微博の衝撃』(共著、CCCメディアハウス)など著書多数。政界挑戦の経緯は、『元・中国人、日本で政治家をめざす』(CCCメディアハウス)にまとめた。

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