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岐阜県の盗撮疑惑事件で垣間見えた、外国人技能実習制度の闇
家畜のような扱いを受ける女性たち。人権という言葉はどこに消えたのだろうか。
13日になって事態はようやく動きを見せた。私が自分のSNSを通じてこの事件のことを訴えたところ、中国メディアの澎湃新聞が取材し記事にしたのだ。
これまで事件を無視していた会社、仲介機関、駐名古屋中国総領事館は一気に態度を変えた。女性たちに会おうとしなかった社長は、すぐに顔を見せ、会社はすぐさま警察に被害届を提出した(そして「建造物侵入罪」として受理された)。
だが、事件の発覚から間もなく1週間がたとうとしている。彼らが態度を変えたのは女性たちのことを思ってのことだろうか。それとも報道によって大騒ぎになると予感し、自分たちの身を守るために重い腰を上げたのだろうか。
日本は今、外国人労働者の力を必要としている。技能実習生という「建て前」で労働移民を受け入れること、そのこと自体にも問題はあるが、もし受け入れるのであれば、誰かが親身になって彼らを守らなければならないはずだ。
私、李小牧がヒーローとして登場するのは今回が最後になることを祈っている。
*本稿執筆にあたり、技能実習生が所属する岐阜県大垣市の企業に電話取材を行ったが、期日までに回答を得られなかった。
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