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東北被災地の「万里の長城」工事をなぜ止められないのか
政治が無駄を止め、一度決めたことでも間違いならやめる決断を
日本人は年々、内向き志向を強めている。特に若者はインターネットを見るだけで満足して海外に行こうとしない。だが海外を見て国際的視野を広げれば、多くの新たなアイデアが得られる。自らの不足を知ることができる。国際的視野から気仙沼のローカルな問題を真摯に考える臼井さんの話を聞いて、改めて海外を知ることの重要性に気づかされた。
前述したとおり、防潮堤の建設はもともと現地住民が賛成していた話だ。だが作り始めてすぐに間違いだと悟った。今では現地住民の80%が反対しているというが、それでも一度決まった公共事業は止まらない。
完成した防潮堤はまだごく一部に過ぎない。今からでも工事をストップし、その分の予算を生活復興、企業振興に充てるべきだ。おそらく誰もが同意するプランだが、「一度決まったことだから」という思考停止によって、望まれていない防潮堤工事が続けられている。
私は日本人の生真面目さが好きだ。決めたことはやり遂げる職人精神は素晴らしい。だが、そうした精神を持っていたとしても、もっと柔軟な発想をするべきではないか。間違いのない人間などいないのだ。試してみて失敗だと分かったなら、すぐにやめてしまえばいい。
巨額の税金を無駄にして、ゼネコン以外は誰も喜ばない公共事業が続いている。政治がこうした無駄を止めなければならない、一度決めたことであっても間違いならばやめる決断をしなければならない。
日本政治のレベルアップこそ復興の近道。今回の東北ツアーで得た教えだ。
【参考記事】福島の現状を知らない中国人に向けてVICEで記事を書いた
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