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「自爆テロ型犯罪」を防ぐため、原因追究以外にすべきこと
犯罪機会論には、物理面(ハード面)を担う「防犯環境設計」と心理面(ソフト面)を担う「割れ窓理論」がある。残念ながら、割れ窓理論は自爆テロ型犯罪には防犯効果が低い。なぜなら、犯罪企図者は逮捕されてもいいと思っていて、犯行への心理的ハードルが低いからだ。
しかし、防犯環境設計には高い防犯効果が期待できる。もっとも、単に録画しているだけの防犯カメラでは自爆テロ型犯罪を防げない。というのは、防犯カメラが怖いのは「犯行が発覚するかもしれない」とビクビクしている犯罪者だけだからだ。海外のように、リアルタイムでモニタリングしていれば、犯行を阻止できる可能性はあるのだが。
歴史的建造物にヒント
防犯環境設計は、自爆テロ型犯罪から施設を守る方策として「多層防御」を提案する。犯罪企図者によって第1層が破られても、第2層、第3層という形で侵入を食い止め、守りを崩されないようにする手法だ。
今も残るトルコのテオドシウスの城壁は、多層防御のお手本だ。東ローマ帝国(ビザンチン帝国)の首都コンスタンティノープル(現イスタンブール)を守るため、テオドシウス2世によって5世紀に建造され、1000年の長きにわたって難攻不落を誇った。その構造は、内壁・外壁・堀壁(木柵と外堀)という三重で、まさに多層防御である。その姿は、塩野七生の『コンスタンティノープルの陥落』(新潮文庫)に詳しい。
日本の城も、内堀・中堀・外堀と石垣に囲まれ、多層防御を実現している。一歩で一段上がれないよう幅広く作られた石段、Uターンする道、天井からやりを突き出せる門なども、多層防御の構成要素だ。
海外の城にある「らせん階段」は、上から見て時計回り、つまり階段を上がるときに右手が中心に近づくように作られている。人の9割が右利きであることを考えると、この構造なら、階段の下から攻めてくる敵軍は軸柱が邪魔になって剣を自由に振り回せないが、階段の上で迎え撃つ自軍はそれができる。これも多層防御のアイデアだ。
こうした歴史的建造物を見習って、日本の病院、学校、高齢者施設、障害者施設、公園、娯楽施設なども、多層防御を取り入れることが望まれる。もっとも、多層防御は設計段階で組み込む必要があり、建設後の改修では物理的にも予算的にも難しい。しかし、建設後でも、先端テクノロジーの助けを借りれば多層防御を実現できる。その一つが「ディフェンダーX」である。
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