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職場のあなたは、ここまで監視されている...収集されたデータで「不当解雇」も(調査報告書)
denniro/Shutterstock
<従業員監視ソフトウェアを使用して、従業員のデジタル活動をほぼすべて追跡。マイクロソフトのTeamsもこうしたツールとして機能する>
[ロンドン発]従業員の自由とプライバシーを守る英国のキャンペーン団体「ビッグ・ブラザー・ウォッチ」は従業員監視ソフトウェア(ボスウェア)についての調査報告書をまとめた。企業が人工知能(AI)など最先端テクノロジーを使って従業員を監視している実態が浮かび上がる。
報告書によると、世界125カ国以上1万社以上が採用する米テラマインド社のソフトウェアを使用すれば、企業はライブ画面の表示、キー操作、閲覧したウェブサイト、ソーシャルメディア上のやりとりなど従業員がコンピューター上で行ったほぼすべてのデジタル行動を把握できる。
求人サイトへのアクセスや労働組合へのメール送信など、特定の行動を使用者に知らせる機能もある。企業は分析機能を使用して従業員がコンピューターを使っていた時間と休止していた時間を比較した生産性レポートを作成し、業務と関係のない行動を特定できる。
いわゆる生産性トラッキングだ。
GPSデータで遅延について配達員を詰問
パスワードなどの従業員のプライベートな情報が記録される可能性もある。テラマインド社は「無制限の監視」が目的ではないと主張しているが、従業員のあらゆるクリックやキー操作を監視しており、マンチェスターの不当解雇事案ではテラマインド社のソフトウェアが使われていた。
郵便・宅配会社ロイヤルメールは米ゼブラ社のPDA(携帯情報端末)を導入。この端末にはGPS(衛星利用測位システム)の追跡機能が搭載され、配達員の配達時間とルートを追跡する。開始時間と終了時間、ルートからの逸脱、配達の遅れなど大量のデータを収集している。
配達員はPDAのデータに基づき圧力をかけられたと証言。配達に時間がかかりすぎだと注意された人もいた。収集されたデータは配達員を詰問するために使用され、管理職による長時間の尋問につながった例もあり、英議会による調査が行われた。
従業員のデータが適切に保護されない限り、不当な監視につながりかねない。
従業員のパフォーマンスをリアルタイムで監視
アマゾンは倉庫における広範囲な職場監視で悪名高い。従業員はPDA、カメラ、リストバンドを組み合わせて厳重に監視されている。 振動で従業員に移動する正しい方向に誘導するブレスレット型トラッカーの特許を取得したが、英国の現場で使用されたという報告はまだない。