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ロシア「メディア封じ」の狡猾さ...自由な報道が死滅した今、国民は何を信じる?
戦争を支持する狂信的愛国主義者と軍国主義者
ロシアの独立系世論調査機関レバダセンターによると、プーチン氏の支持率は3月に83%(不支持率15%)、4月にも82%(同17%)を記録した。「公式数字は信用できない。情報を国家に開示できる人だけが世論調査に答えている。戦争を支持する狂信的愛国主義者と軍国主義者、それと戦争や政権に強く反対するグループがそれぞれ20~25%ずついる」
「戦争が早く終結して元通りに戻るという楽観的な幻想を抱いている40~50%のマジョリティーには黙っていてほしいとプーチン氏は考えている。だからノーバヤ・ガゼータ紙を閉鎖させた。国営テレビを通じて、洗練された包括的なプロパガンダが行われている。プーチン氏はウクライナを侵攻しなければならない安全保障上の理由があると信じている」
「報道の自由」の擁護を目的としたジャーナリストによる非政府組織(NPO)「国境なき記者団」の世界報道自由度ランキングでロシアは昨年の180カ国・地域中150位から今年は155位に落ちた。ロシア軍の侵攻1カ月で5人ものジャーナリストやメディア関係者が銃撃され死亡している。ロシア軍は占領地のニュースソースを意図的に標的にしている。
露主要TVニュース番組で3月、キャスターの背後で女性が「戦争を止めて」と大書された紙を掲げるハプニングがあった。オリガルヒや退役将官からもプーチン批判が起きている。「国民は安定をもたらしたプーチン氏を支持してきたが、戦争で安定が失われ、貧困が問題になりつつある。国民も目を覚ますはずだ」とユージニアさんは期待を込める。