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アメリカの衰退見据え「日英同盟」の再構築を 英首相メイと安倍首相の握手
来日したメイ英首相と安倍首相。日英の安全保障協力も焦点に Kazuhiro Nogi-REUTERS
[ロンドン発]英首相テリーザ・メイが8月30日から9月1日まで訪日し、安倍晋三首相と会談した。核・ミサイル開発を急ピッチで進める北朝鮮とイギリスの欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が主要議題となったが、隠れた焦点が日英の安全保障協力である。アメリカの衰退が顕著になる中、「日英同盟」を再構築し、第三極・欧州の一角をなすイギリスと深い絆を結ぶことは日本にとって焦眉の課題だった。
日英関係を強める好機
最近の英首相訪日は2008年のゴードン・ブラウン(北海道洞爺湖サミット)、12年のデービット・キャメロン(日本から帰国後にチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と面会して対中関係が悪化)、16年のキャメロン(伊勢志摩サミット)。日本でG7(先進7カ国)首脳会議が開催されるか、中国との関係がまずくなっている時でない限り、イギリスの首相は日本にやって来ない。
メイは、「英中黄金時代」を仕掛けた前財務相ジョージ・オズボーンをパージし、原発発注に関して中国企業の持ち分が全体の50%を超えないようきつい縛りをかけたため、中国の国家主席、習近平から完全に睨まれた。ブレグジット後の貿易相手として日本より中国の方がもっと重要なのだが、7月末の訪中を予定していた中国からは待てど暮らせど、お呼びがかからない。
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英中関係はさておき、日本にとっては好機到来。安倍首相は共同声明で「日英両国は自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的な価値を共有するグローバル戦略的パートナー」「アジアと欧州におけるアメリカに最も近い同盟国」であることを確認。合同軍事演習、国連PKO(平和維持活動)協力のほか、防衛装備・技術移転の推進、国家安全保障会議(NSC)局長レベルの対話を進めることで合意した。
さらには2019年のラグビーワールドカップや20年の東京五輪・パラリンピックに向け、日本の警察庁と英内務省のパートナーシップを結び、テロ対策、サイバーセキュリティーで政府間協力を強化するとうたった。国内に分離・独立問題を抱えるイギリスはテロ対策の長い歴史と経験があり、世界トップレベルのシギント(電子情報の収集)能力を誇る。平和な日本はこの分野でイギリスに学ぶところは多い。
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北朝鮮の朝鮮労働党委員長、金正恩は、米大統領ドナルド・トランプがテキサス州南部の洪水対策に追われ、習近平が秋の党大会を控える間隙をついて、核・ミサイル実験を強行し、「核兵器保有国」としての地位を既成事実化する狙いがある。北朝鮮が米全土を攻撃できる核ミサイルを保有するのは早ければ来年という分析もある。