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英議会がIS空爆を承認、反対派は「テロリストのシンパ」か
ISが中東・北アフリカだけでなく、欧州でも国際テロを実行し始めたことから、英国内の世論も「シリアのISを叩くべし」という強硬論に傾いた。キャメロン首相はこれを見て、シリアでのIS空爆に反対する最大野党・労働党のコービン党首らを「テロリストのシンパだ」と非難した。コービン党首は党内の亀裂が広がるのを避けるため、自主投票に切り替え、造反に目をつぶった。
空爆は対症療法に過ぎない。筆者が初めてISの記事を書いたのは昨年4月。英キングス・カレッジ・ロンドン大学の過激化・政治暴力研究国際センター(ICSR)が、ソーシャルメディアを通じて欧米からシリア内戦に参加するイスラム系の若者を調査した内容を発表したときだ。「イラク・レバントのイスラム国(その後、ISに改名)」と言っても誰もピンと来なかった。
空爆より交渉でアサド退陣の道筋を
ISが勢いを増したのは、シリアのアサド政権がイスラム教スンニ派の住民を弾圧し、イラクのマリキ政権(当時)もスンニ派を虐げたからだ。「スンニ派を守る」ことを錦の御旗に掲げたISがイラク第2の都市モスルなどを制圧し、「カリフ国(イスラム社会の最高指導者による統治)」としての建国を宣言。これに米国が空爆で応じたことを機に、ISは中東・北アフリカの過激派組織との連携を広げた。
空爆が問題を解決するどころか、新たな問題を拡大させてきたのはアフガン、イラク戦争を振り返れば明らかだ。問題の根っこはシリア内戦の長期化とアサド政権にある。米国・サウジ・トルコ、ロシア・イランといった全プレーヤーがシリア和平に取り組み、アサド大統領の退陣に道筋をつけることが最大のIS対策であることは言うまでもない。
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