コラム

投資家は「東京メトロ」をどう見るべきか...「今さら」上場になった特殊な理由と、今後の注目点とは?

2024年11月14日(木)17時09分

東京メトロ株は高成長銘柄というよりは......

株式市場に上場した以上、投資家に対して明確な成長シナリオを示すことは責務といえるが、同社特有のこうした事情を考えると、高成長銘柄というよりは安定的に利益を上げ、高配当を行う銘柄のほうが投資家にとってイメージしやすい。

ちなみに同社は、配当性向4割以上を目標としており、1株当たりの配当40円を公開価格で割った配当利回りは3.3%となる。現時点において3.3%の配当利回りと高いとみるのか、安いとみるのかは微妙なところだろう。今後の多角化戦略をどのように打ち出すのか、政府と東京都が関与する延伸計画がどこで着地するのかが当面の注目点となる。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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