まるでビジネスドラマ...日本の製造業「最後の至宝」の元社長を招聘した台湾ホンハイの真意
シャープ買収時と現在では大きな違いが
鴻海は本社こそ台湾にあるが、郭氏は両親が中国本土出身の外省人であり、中国共産党から多大な支援を受けている。中国国内に多数の工場を展開していることも考え合わせると、同社は事実上の中国企業と認識したほうがよい。
シャープの経営危機は無謀な投資が招いた結果で、かつ日中関係も今ほど悪い状況ではなかった。このため鴻海によるシャープ買収は大きな社会問題にならなかった。
だが、日本電産はもの作りニッポンの最後の至宝ともいうべき企業で、しかも日中関係はかつてなく悪化している。米バイデン政権は対中輸出規制に日本も同調するよう強く求めており、日本と中国のビジネス環境は悪化するばかりである。こうした時期に発表された仰天人事だけに、さまざまな臆測を呼びそうだ。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後はさらなる「倒産増加」が予想される 2024.10.30
【総選挙】自民党と立憲民主党の「経済/外交/政治改革」の政策比較で分かった「異例」の現象 2024.10.18