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デート中に危険な雰囲気...イギリスのパブで「アンジェラ」を呼ぶと起こること
インターネットの出会いの時代では、人々は時に、メッセージをやり取りしたりオンラインで会話しただけの人と、直接会うことになる。そうすると、事前のやり取りで自称していたような人物ではないことが判明するかもしれない。例えばずっと年齢が高めだったり、事前の印象のようないい人ではなさそうだったり、強引なほど性的に迫ってきたり。
僕が「アンジェラを呼んで」システムを知っている理由は、トイレにポスターが貼られているからだ。つまり、男子トイレに。「女子トイレだけでいいんじゃないの?」という趣旨の言葉を口にしている人も何人かいた。つまり、助けを求めるのは女性で、襲うのは男性なのだから、男子トイレにポスターが貼られていたらターゲットにこうやって逃げられるかもしれないぞと事前警告してしまうじゃないか、と。
事実、性暴力やその他の暴力の加害者は圧倒的に男性が多いが、男性が被害者になることだってあるのだ。前述の研究では、スパイクされた経験がある男性が女性の約半分の割合でいることが示唆されたが、それでもかなり高い数字だ。男性が女性を攻撃する、という単純な話にとどまらない。犯罪的なプレデター男性は、狙いたいものを攻撃するのだ。
英法律史上最悪のレイプ犯は若い男性ばかりを狙った
実際のところ、イギリスの法律史上最悪のレイプ犯が襲った被害者は、全員男性だった。レイナード・シナガは、マンチェスター市中心部の若い男性を標的にした。彼は2015年から2017年の逮捕までの間に、200人以上の男性をレイプまたは性的暴行したと考えられている。彼の手法は、酔っ払っていたり、具合が悪くなったりしている若者を探して「助け」を申し出、彼らを自分のアパートに連れ込み、薬を飲ませて暴行することだった。被害男性の多くは暴行を受けたことに気づいていなかった。警察が証拠を発見したのは、シナガが携帯電話で暴行を録画するのを好み、さらには「記念品」を保存していたからだ(身分証明書など被害者の持ち物の数々だ)。彼はまた、ソーシャルメディア上で自身の「征服」を自慢し、異性愛者の男性を「転向」させることに特にプライドを感じていた。
暴行を受けていたある被害者が目を覚まし、シナガを殴って逃げたため、シナガは捕まった。当初、警察は被害者のほうを暴行容疑で逮捕した。
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