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自由と銃とアメリカ史──憲法発祥、マグナ・カルタの地で考えた「銃所有」の意味
マグナ・カルタ記念館などがあるラニーミード RONEMMONS/ISTOCK
<「自由の制定」であるマグナ・カルタ署名の地を訪れて、アメリカの銃所持について思考を巡らせたわけ>
最近僕は、何年もやりたいと思っていたことを実行に移した。マグナ・カルタ署名の地である(イングランド南東部サリーの)ラニーミードを訪れたのだ。マグナ・カルタ成立はイギリス史にとって、そしてもちろん世界史にとっても大きな出来事だった。壮大な言い方をすれば、1215年のこの日は「憲法というものが誕生した日」と呼べるだろう。自由の制定における重要な瞬間だ。
僕はちょっとした歴史オタクだから、今までラニーミード訪問に至らなかったのが不思議なほどだ。弁解すると、僕は現存する4つのマグナ・カルタの「原文」のうち3つを見たこともある。2つはロンドンの大英図書館で、もう1つは普段リンカン大聖堂(イングランド東部)に所蔵されているものが2015年に800周年記念でベリー・セント・エドマンズ(イングランド南東部)にやってきた時に見に行った。この街では1214年、男爵たちが集まり、ジョン王に自由憲章を受け入れさせることを誓った。
さらに弁解するなら、ラニーミードはイギリス人の多くがわざわざ訪れようとするような場所ではない。僕がラニーミードに行ったと誰かに話せば、10人中9人は「そこで何が?」と聞くと思う。誰でも歴史の授業でマグナ・カルタを習っているから、彼らはもちろん言われれば漠然と思い出すだろう。
ラニーミードで自分がいったい何を「感じ取る」のか、予想もできなかった。わりと近くに滞在する機会があったから、この地を訪ねたまでだ。ところが、この訪問で思いもよらなかった方向に考えが進み、自分でも本当に驚いた。
銃を所持するアメリカ人の頭の中
第一に、ラニーミードのマグナ・カルタ記念碑を作ったのは僕たちイギリス人ではなかった。建てたのは米国法曹協会で、1957年のことだ。それ以前は単なる田舎の一角だった。ここがどんなに偉大な場所だったか、外国人が僕たちイギリス人に教えてやる必要があったわけだ。特に、アメリカ人が。アメリカ人は自由獲得に向けた歴史の歩みに本当に夢中になるからだ。さらに具体的に言えば、アメリカ人の弁護士たちだ。彼らは、僕たちの多くが日ごろ当たり前だと思ってしまっている「法の支配」と「法の下の平等の原則」の重要性をよく理解している。
僕にはたまたまアメリカ人の、しかも弁護士をしている親友がいて、いつしか僕は彼のことを考えはじめていた。彼が以前、議論めいた調子でこう聞いてきたことがあるからだ。「集結した男爵たちがもしも武装していなかったら、ジョン王は果たしてマグナ・カルタに署名したと思うか?」
このとき彼は、武器保有の権利を規定したアメリカ合衆国憲法の修正第2条を擁護していた。
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