- HOME
- コラム
- Edge of Europe
- トラス英首相を新たな「鉄の女」とか言うのはどうなの…
トラス英首相を新たな「鉄の女」とか言うのはどうなの?
トラス(写真右)本人もサッチャー(同左)を意識しているとは言われるが、やたらと『鉄の女』と比較する論調が目立つ From Left:Roy Letkey-REUTERS, Hannah McKay-REUTERS
<イギリスに3人目の女性首相が誕生し、もはや性別など言及する必要もなくなったが、いまだに女性の場合だけやたらとサッチャーと比較されるのはいただけない>
イギリス人が初めて女性首相を選んだとき(1979年のマーガレット・サッチャーだ)、それは一大事件だった。2度目のときは(2016年のテリーザ・メイ)、1度目が決して「唯一」の例ではなかったということを証明できたから意義深いことだった。今回、リズ・トラスの性別については特に言及する必要もなくなっている。
ただ、トラスであれメイであれ、果たして新たな「鉄の女」になるだろうか?との疑問を持たれることから、いまだに女性差別が存在している様子が見て取れる。彼女たちはあからさまにサッチャーと比較され、サッチャーの基準に沿うことを期待される。
男性の首相たちは、こんな扱いは受けない。デービッド・キャメロンは新たなチャーチルになるだろうか、と言う人など誰もいなかったし、トニー・ブレアは次のクレメント・アトリーになるだろう、などという声もなかった。
チャーチルを強烈に意識しているように見えたことから、時にはボリス・ジョンソンがチャーチルと比較されることはあった(結論はいつも、ボリスは偉大なるチャーチルの「物まねをする」男だ、ということに落ち着いた)。
興味深いのはトラスが、サッチャーが1979年に直面した特殊な問題に取り組む数十年ぶりの首相になるだろう、という点だ。つまり、家計と経済に著しいダメージを与えている高インフレ、そして労働者に募る不満だ。既に鉄道運転士や他の交通機関関係者を中心にストライキが数多く起こっていて、実に厄介な事態になっている。サッチャーはインフレにも労働者に対しても、強硬な政策を実施した。
EU「残留派」からあっさり離脱容認へ
でも、トラスは性格的にサッチャーとは大きく異なる。サッチャーは政治的問題なら何であれ、とても明確で、独断的な意見を持っていた。それは彼女の最大の強みであり、弱みでもあった。この性格のおかげで彼女は困難な時を乗り越えられたが、最終的に彼女は、この性格のせいで支持を得たい人々から切り捨てられた。サッチャーはまさに「鉄の女」の名にふさわしいが、彼女がもしも、たとえば不評だった人頭税などの政策にあと少しだけ柔軟な姿勢を見せていれば、ひょっとするともう少し長く任期を務められたかもしれない。
2025年、ついにオアシス再結成......その真実を語ろう 2025.01.08
土地持ち農家は高額な相続税を払え...英労働党の新方針が農村部で大不評 2024.12.27
シリアに散った眼帯のジャーナリスト...アサド政権崩壊で思い返したいこと 2024.12.12
バックパックを背負った犬が歩くたび、自然が蘇る未来 2024.12.06
イギリスを悩ます「安楽死」法の重さ 2024.12.04
引責辞任したカンタベリー大主教のセレブで偽善的でえげつない素顔 2024.11.30
トランプを勝たせたアメリカは馬鹿でも人種差別主義でもない 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員