コラム

勝利宣言をしたスタージョン党首。独立への思いを語る:スコットランド議会選挙

2021年05月11日(火)12時30分
選挙キャンペーン中のニコラ・スタージョン党首

選挙キャンペーン中のニコラ・スタージョン党首(5月3日) Jeff J Mitchell/REUTERS

5月6日、スコットランドの議会選挙が行われ、8日に結果が判明した。

スコットランド国民党は、合計64議席を獲得。過半数にはあと1議席足りなかったものの、記録的な勝利をおさめた(以下、国民党)。

選挙区票では48%、リスト票では40%を獲得し、投票率も約10ポイント上昇したのだ。

同党のニコラ・スタージョン党首は、今回の選挙結果を「並外れた歴史的偉業」と表現した。2007年に同党が初めて政権を獲得した時には、「今回の選挙における私たちの勝利の規模の大きさと記録的な性質を、誰も予測しなかったでしょう」と述べた。『スコッツマン』が報じた。


定数129。過半数65。カッコ内は前回2016年の結果との比較

スコットランド国民党 64(+1)

保守党 31(変化なし)

労働党 22(−2)

緑の党 8(+2)

自由民主党 4(−1)

スコットランド緑の党は、選挙前に、国民党と共に「独立を問う2度目の住民投票」を進める事を公約している。同党は2名増の8名の候補者が当選した。国民党の64議席と合わせて、72議席となった。これで独立派政党は、全議席の約56%を占めることになった。

スタージョンの勝利のスピーチ、独立への思い

党首ニコラ・スタージョン氏は、2回目の独立住民投票を邪魔しようとするロンドンのウェストミンスター議会の政治家たちは、「我が党にケンカを売っているのではなく、スコットランドの人々の民主的な願いにケンカを売っているのだ」と宣言した。

彼女は勝利のスピーチで、以下のように述べた。


私たちは(73定員の小選挙区のうち)62で議席を獲得しました。これは記録的な数字で、全体の85%という驚異的な数字です。私たちは、2016年に獲得したすべての小選挙区で議席を維持しただけでなく、労働党と保守党の両方から議席を獲得しました。

実際私たちは、分権の歴史の中で、小選挙区の投票で、どの政党よりも多くの票を獲得し、高い率を誇っています。

プロフィール

今井佐緒里

フランス・パリ在住。追求するテーマは異文明の出合い、EUが変えゆく世界、平等と自由。社会・文化・国際関係等を中心に執筆。ソルボンヌ大学(Paris 3)大学院国際関係・ヨーロッパ研究学院修士号取得。日本EU学会、日仏政治学会会員。編著に「ニッポンの評判 世界17カ国最新レポート」(新潮社)、欧州の章編著に「世界が感嘆する日本人~海外メディアが報じた大震災後のニッポン」「世界で広がる脱原発」(宝島社)、連載「マリアンヌ時評」(フランス・ニュースダイジェスト)等。フランス政府組織で通訳。早稲田大学哲学科卒。出版社の編集者出身。 仏英語翻訳。ご連絡 saorit2010あっとhotmail.fr

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震の死者1000人超に、タイの崩壊ビル

ビジネス

中国・EUの通商トップが会談、公平な競争条件を協議

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 6
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 9
    最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚…
  • 10
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story