- HOME
- コラム
- 疾風怒濤のイスラム世界
- 世界の反イスラエルデモは倒錯している
世界の反イスラエルデモは倒錯している
ガザの「反ハマスデモ」を弾圧するハマス
ガザ地区の人口約200万人のうち7割近くが貧困ライン以下で生活し、60%が食料難に陥っている一方で、ハマスの指導者トップ3であるイスマイル・ハニヤ、ハリド・マシャル、マウサ・モハメド・アブ・マルズークはそろってカタールで優雅に暮らしている。彼らは不動産や事業を保有し、資産総額は110億㌦に上る。その一方で、ガザ住民を重税で苦しめている。2019年3月に「われわれは生きたい」と標語を掲げた対ハマス抗議デモが発生すると、1000人近くの参加者を殴打したり、拘束したりした。このようにガザ住民を暴力で苦しめているのもハマスだ。
ハマスは10月29日、世界で発生している親パレスチナのデモを称賛する声明を出し、イスラエルに対し、虐殺をやめさせるべく圧力をかけ続けるよう呼びかけた。
パレスチナ人の病人や子供を「人間の盾」として利用し、ロケット弾の誤射で殺害し、抗議する人を弾圧し、重税をかけ自らは私腹を肥やしてきたハマスが、世界の人々と反イスラエルで連帯する。この倒錯に、なぜか多くの人は気付かない。
ハマスが残存する限り、パレスチナの人々は利用され、搾取され、死に追いやられる。イスラエルに見当違いな抗議や攻撃を続けたところで、パレスチナは決して解放されはしない。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
世界の反イスラエルデモは倒錯している 2023.11.30
世界がさすがに看過できなかった、アッバス議長の反ユダヤ主義発言 2023.10.13
アラブのアメリカ人気は衰えず...世論調査が示した中国の限界 2023.07.12
自由民主主義に背を向ける中東 2023.06.16
スーダン退避は「黒い関係」の果実 2023.05.16