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「偽情報・誤情報」研究が直面する5つの課題
課題4 データアクセスに制限がある
この領域の多くのデータはSNSプラットフォームなどの民間企業が保有しており、研究者が扱えるのはその一部にすぎない。これまでの、そしてこれからの研究は、民間企業が提供するデータに依存している。
さらに特にやっかいなのはWhatsAppやTelegramなどメッセンジャーである。メッセンジャーでやりとりされている内容は原則として公開されない。
その一方で、入手困難なものの、そこに莫大なデータがあることがわかっているために、過剰にそのデータに依存している可能性も危惧されている。確かに、これまでの調査研究におけるSNSプラットフォームからのデータは非常に貴重で、数多くとりあげられてきた。
しかし、SNSプラットフォームは偽・誤情報問題を引き起こした張本人と名指しされることも多い。その犯人が自分たちに不利になるようなデータを渡していると考えるよりは、都合のよいデータを渡していると考える方が自然だろう。
実際、フェイスブックは調査の最中にモデレーションポリシーを変更して調査結果に影響を及ぼしたことがある。フェイスブック・ファイルには同社社内のこうした問題がいくつも暴かれている。
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