トランプ政権の腐敗を暴くボルトン回顧録の破壊力、しかしその動機は「肥大した自尊心」
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ボルトンは常に自分が一番賢いと思っている JONATHAN DRAKE-REUTERS
<回顧録はボルトンの性格やこれまでの仕事ぶりそのもの。トランプ政権の腐敗を白日の下に晒し、一翼を担った自身をそこから切り離すことが本書の狙いだ>
1冊の回顧録がトランプ米政権の危険性に警鐘を鳴らしている。著者のジョン・ボルトンは国家安全保障担当の大統領補佐官として、トランプ大統領に17カ月間仕えた人物だ。
国務省とCIAの元同僚の多くは(そして私も間接的に)、ブッシュ政権時代にボルトンと関わりがあった。偽りの証拠に基づきイラク侵攻を主張した狂信者や戦争屋主体の政権の中でも、ボルトンは最も冷酷でイデオロギー的に硬直した人物だった。私の同僚たちについて嘘をつき、事実をごまかし、自分が提唱する政策の結果について延々と妄想し続けていた。
ボルトンはホワイトハウスを去った後、回顧録『それが起きた部屋』でトランプに攻撃を仕掛けた。だが、今さらトランプは大統領として完全に「職務不適格」であり、アメリカにとって極めて危険な存在だと言われても、素直に評価する気になれない。
この回顧録はボルトンの性格やこれまでの仕事ぶりそのものだ。傲慢な態度と狂信的なイデオロギー、そこから来る過剰な自信が本書からもよく分かる。
■傲慢さ
ボルトンは常に自分が一番賢いと思っている。ニューヨーク・タイムズ紙の表現を借りれば、この全576ページの本は「肥大した自尊心」の塊だ。ボルトンはトランプへの軽蔑を隠さず、その腐敗ぶりを説得力のある筆致で明らかにしている。
例えば、トランプがウクライナの大統領を脅し、民主党の有力な大統領候補であるバイデン前副大統領への攻撃材料を手に入れようとしたという疑惑を、ボルトンは本の中で追認している。これはまさにトランプの弾劾理由そのものだ。しかし、ボルトンは17カ月間、腐敗した危険人物と知りながらトランプを支えていたのだ。
■イデオロギー
ボルトンのような新保守主義者(ネオコン)は、自国の国益最優先の攻撃的外交を追求し、武力行使も辞さない。ボルトンは何十年もの間、イランと北朝鮮の体制転覆を最重要目標としてきた。
回顧録によれば、イランの革命防衛隊がアメリカの無人機を撃墜したことへの報復として、イラン国内の複数の標的を爆撃する案が検討されたが、トランプは土壇場で取りやめたという。それが辞任の理由だったと、ボルトンは述べている。
原理原則に基づく行動にも見えるが、ボルトンは一貫して原理原則に忠実だったわけではない。トランプは中国の習近平(シー・チンピン)国家主席に対し、「たくさんの大豆」を買って再選を助けてほしいと頼んだ。私に言わせれば国家反逆罪級の違法行為だが、ボルトンは辞任しなかった。
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