アメリカのシンクタンクが世界を動かす力を持つ理由
しかしアメリカの極右は常に、シンクタンクをメディアと並ぶ「左寄り」と見なして反発してきた。それらのメディアやシンクタンクを、元アラバマ州知事で1968年の大統領選に出馬したジョージ・ウォレスは「頭でっかち」と呼んだ(実際アメリカでは、知性派エリートは「庶民」の敵と見なされてきた)。彼ら右派はナショナリズムを隠そうとせず、個人の自由を尊重する「リバタリアン」でありながら権威主義的で、自由市場、小さな政府、社会・経済の規制緩和を主張する。
1980年にロナルド・レーガンが大統領に選出されるまで、保守運動において裕福な個人がワシントンの支配層や全米のメディア、それに彼らの言うシンクタンクの「左寄り、政府寄りの偏見」に対抗した。これが現在アメリカの民主主義を脅かしている政治的分裂の先触れとなり、「党派的なシンクタンク」というシンクタンクの「第2の波」を生んだ。
例えばヘリテージ財団(1973年)は、イデオロギーといい使命といい明らかに保守派寄りだ。リベラル派と中道派はこうしたシンクタンクの政治化に対抗。1990年代にはニューアメリカ財団(1999年)、さらにリベラル寄りのアメリカ進歩センター(2003年)などが設立された。
現在、全米のシンクタンクの数は1800を超え、そのうち400以上がワシントンにある。主義主張を問わず、シンクタンクはしばしばイデオロギー的に近い政権入りを狙う、あるいは政権への返り咲きを狙う個人のたまり場となる。シンクタンクは往々にして政府のために重要政策の知的・分析的枠組みを提供する。
ヘリテージ財団は1980年代、レーガン政権の8年に及ぶ経済的規制緩和と対ソ連強硬政策にイデオロギー的根拠と政策の大枠を提供した。アメリカ進歩センターは2008年のオバマ政権発足に重要な役割を果たし、タイム誌から「1981年のレーガン政権の政権移行チームに協力したヘリテージ財団以来の絶大な影響力を持つ」と評された。
だがその結果、情報の政治化が進み、政策への影響力争いは激化。影響が深刻さを増している。
政策への影響力争いが激しさを増し、政治の危険な両極化が進むなか、シンクタンクの暗部も明らかになってくる。11月19日号「シンクタンク大研究」特集では、それらの懸念点も検証し、さらにはアメリカのシンクタンクの人脈と金脈も明らかにした。本記事は特集の1記事を一部抜粋したもの。
※本記事の続きはこちら:シンクタンクにも左派、保守派、独立派があり、その影響力は絶大
<2019年11月19日号「世界を操る政策集団 シンクタンク大研究」特集より>
【関連記事】霞が関が支配する日本の行政、シンクタンクに存在意義はない?
11月19日号(11月12日発売)は「世界を操る政策集団 シンクタンク大研究」特集。政治・経済を動かすブレーンか、「頭でっかちのお飾り」か。シンクタンクの機能と実力を徹底検証し、米主要シンクタンクの人脈・金脈を明かす。地域別・分野別のシンクタンク・ランキングも。
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